我が家の紫陽花はシャイ
ラフカディオ・ハーン (著) 『ラフカディオ・ハーン著作集 (第1巻) アメリカ雑録』(平川祐弘訳 恒文社)を昨日から読み始めた。
「アメリカ雑録」が収録されている。シンシナーティならびにニューオーリーンズ時代(著者二十代前半から三十代半ば過ぎまで)の仕事から53編収録。ハーン研究者が集めた。題名もその研究者が命名。驚いたことに、冒頭の「杉の間」は怪談物。解説者にすると、「霊のアメリカ」と名付けたかったということから、内容が窺えようというもの。書庫(蔵書)から。
まだ80頁ほどだが、若くして後の怪談物の八雲っぽさが歴然としている。ハーンというより八雲ファンならお勧めである。
ということで、昨日からは上掲書と、スティーヴン・ストロガッツ著の『SYNC──なぜ自然はシンクロしたがるのか』との2冊を交互に読んでいる。
後者、眠りのリズムなどの章は、今もって明らかになっていないこともあって、やや退屈だった。が、ホイヘンスは振り子時計の研究、,壁に掛けていた2 つの時計の振り子が逆位相で完全に同期しているのに気が付き、壁の微少な振動を通して,2 つの振り子は互いに相互作用を及ぼし合っていたといった辺りから俄然面白くなってきた。
← スティーヴン・ストロガッツ著『SYNC──なぜ自然はシンクロしたがるのか』(蔵本由紀監 長尾力訳 ハヤカワ文庫NF)「同期という現象は、最新のネットワーク科学とも密接にかかわりをもち、そこでは思いもよらぬ別々の現象が、「非線形数学」という橋で結ばれている」
ジョセフソン素子、さらにはジョセフソン効果、液体ヘリウムなど。それらがレーザーや超電導の話へと展開するところが、実に面白い。昔、テレビで液体ヘリウムの摩訶不思議な動きを見て衝撃を受けたのを思い出す。
シンクロ(同期)現象はホタルなど生き物の世界だけじゃなく、月と地球、あるいは惑星の動きにも見られる。地球の水が、従来は、彗星の衝突で齎されたと唱えられていたが、どうも彗星の水では地球の水とは性質が違う(重水素の含有割合など)ことから、水の起源は、火星と木星の間の小惑星帯から飛び出し地球に衝突した小惑星がもたらしたと考えられるようになってきた、という。何故、小惑星帯から地球へ? そこにもどうやらシンクロのメカニズムが作用しているのではと本書に書いてある。まだまだ本書の半ばなので、この先が楽しみだ。
それにしても……再読なのに、初めて読むような新鮮さ……なんだか複雑な気持ちである。
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