富山県も緊急事態宣言延長の例外か
← 昼前、遅い朝食後の庭散歩のはずが……習い性なのか、落ち葉があると拾う。雑草を見かけると抜く、枯れ枝を見付けるとポキポキ。結局庭仕事に。ただ苧環の小道が姿を現し、今年は芽吹かないのかとヤキモキさせていた鈴蘭の群生が勢いよく芽吹き始めていた。植物たちは忘れることなく晩春を告げる。
以上のコメントは昨日のもの。今日も午後の五時前から庭仕事開始。ほぼ同じような作業。松の木から松花粉が飛散していた。庭の奥にあるスギの木。昨年、かなり剪定したのだが、今日、じっくり観察してみたら、こんもりした枝の奥のほうに日が当たらなくて、すっかり枯れて赤っぽくなっている枝が隠れていた。それらを可能な限り撤去。すこしはすっきりした? ということで、本日も作業後、汗びっしょりの体をシャワーですっきり。
← ここは何処? 君は誰? ……富山県福光美術館の庭にいるのよ、来てね、早く!
オリバー・ストーン監督作品の「プラトーン」を録画で観た。ベトナム戦争のリアルを描いて見応えがあった。「プレデター」が影響を受けていると感じた。コロナ禍だからこその機会だった。あとは、『ディア・ハンター』や『地獄の黙示録』などの放映が待たれる。
明日、緊急事態宣言の延長を首相が呼びかけるとか。その際、感染症者が危険なほどに増えている、東京や大坂、北海道など一部の地区を除き、大概の県は感染の恐れは少ない。富山県など、よほどの観光地でない限り、3密になどならない。銭湯でさえ!
ということで、「緊急事態宣言、31日まで延長へ 社会経済活動の一部容認も」
外出……不要不急かもしれないけど、外出……ツーリングしたい。ほとんどの場所は3密にはならないのが悲しいかな我が富山県。
← 夏目漱石/著『坑夫』(新潮文庫) 「漱石の許を訪れた未知の青年の告白をもとに、小説らしい構成を意識的に排して描いたルポルタージュ的異色作」。
夏目漱石著の『坑夫』を読了した。2度めか3度めか。
本作品の舞台は、足尾銅山。作品が新聞に連載され始めた明治41年までには既にあからさまではないものの、足尾銅山鉱毒事件(この呼称も後世)が報じられつつあった。が、銅山の元坑夫の話を土台にした作品で、あくまで若き世をすねた語り手の内心の吐露であり、主観的なドキュメントの体裁を崩さない。事件を匂わす語りは全くない。世間知らずの坊ちゃんが言葉巧みに誘われるがままに、思いがけず鉱山へ。
自殺するんだ、場所など何処でも構わないという捨て鉢さと、その実鉱山内の過酷な環境に驚き、地下深くへの坑の暗さ足場の悪さに辟易し、寝る部屋の薄汚さや布団の汚なさ、南京虫の攻撃に堪らず柱に寄り掛かって寝ようとする。飯は南京米。鉱山の中の(語り手に依れば)例外的に盗ん人間味のある方に優しい言葉を掛けられ、自殺の決意は何処へやら、入所に当たって義務付けられている検診で病気と診断され、呆気なく鉱山を去る。結局、鉱山では全く働くことはなかった。
作品の中に語り手の(後で振り返っての)述懐めいた作品への説明(エクスキューズ)がある :
纏まりのつかない事実を事実のままに記すだけである。小説のように拵えたものじゃないから、小説のように面白くはない。その代り小説よりも神秘的である。凡て運命が脚色した自然の事実は、人間の構想で作り上げた小説よりも無法則である。だから神秘である。と自分は常に思っている。
この弁解(多分、本作が詰まらないとの悪評が漱石を悩ましたのだろう)は、全編で210頁。90頁を過ぎてやっと鉱山に辿り着く辺りで披露されている。漱石は鉱山を実際には見学などしていない、評判噂憶測しか知らない(掲載が急遽決まったので、事前に調査する時間などなかったのだろう)漱石は、鉱山への途路での語り手の取るに足りないポン引きとの話題を書き、主人公の自殺への思いを縷々駄弁らせることで、時間稼ぎをしていたのではという疑心さえ我輩に抱かせた。鉱山をどう描くか、鉱山への途路の記述を引き伸ばす間に、懸命にデータを蒐集していたのだ。
上に漱石の弁解めいた説明を作品から転記しておいた。我輩の見解を示す。事実を事実のままに記すってのは怪しい。世の小説のように面白くはない。確かに評判の良かった前作ほどにはまるで面白くはない(実際には前作の「虞美人草」も不評だったのでは)。その代り小説よりも神秘的である……。実験作品としての面白さは際立っている! 人間(漱石!)の構想で作り上げた小説……まさに虚構だからこそ、漱石の小説家としての力量が窺われ、我輩には何度読んでも印象的なのである。これが新聞の連載小説なんて、ありえない!
この作品を面白い! と感じるあなた! 我が同志です。
鉱山の坑内を深く潜っていく場面は鬼気迫るようでいて、我輩にはやはり想像が現実に追いついていないと感じました。善戦するも惜しくも敗退の感。一方、銅山へ至る過程でのエピソードや坑内で出会う優しい、人間的な方たちとのやり取りはさすがに小説になってます。いろんな意味で実験的と感じました。
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