『ビッグヒストリー』を読んだ
ほか、父母が育てた柿、ミカン、梅。なかなか実が生らないけど。昨年は柿が不作。代わりにミカンが空前絶後の豊作。1本なのに、食べるのが追い付かないほどだった。多分、今年は収穫期待薄か。梅 十年近く前に豊作だったのを最後に、年々不作に、ついには無作に。
← 過日撮影した泰山木。でっかい花を咲かす。まるで優勝した関取が美酒を呑む杯のような。だが、花は繁茂する葉っぱの陰。しかも高い場所。花の姿を観たのは10年で1度か2度(昔あった隣の屋敷の泰山木で花をハッキリと観た。車道にはみ出ていたんだ)。ましてや撮影は成功したことない。今年こそ!
裏庭に木蓮がひっそりと咲いていた。杉や柘植、棕梠などに挟まれるようにして肩身狭く。車道からは他の木立に遮られ、開花はまるで見えない。じっさい、わたしは日陰の身なのよと、いじけるように、うらぶれて見える。見るのはこの世では我輩だけか。可哀想で、姿、見せられはしない。
その間近には紫陽花。これも窮屈そう。表の通りからは遠い。我輩だけが見てあげる。なんだってこんなところに植えたの?
その更に奥には石蕗。これは丈が低いので他の樹木と競り合わずに済む。もう間もなく開花かな。
← この数日あまりで鈴蘭たちが一斉に。藏の脇の細長い花壇。ドクダミが進出しつつある。その退治くらいで、ほとんど世話はしないのに。
健康への一助にと、半ば面白半分で、スマホに歩数計(万歩計)のアプリを入れた。仕事の日は3000台。自宅だと500歩。少ない。ただ、自宅の歩数はスマホを手放している時間が長いし、庭仕事など(ほとんど草むしりなどウンチングスタイル)負荷のかなりある作業は、歩数は少ないが体力は使っているはず。それはそれとして、この歩数計のアプリは電池を消耗する。一日中動こうとするから当然か。で、今日、歩数計を買ってきた。330円。ま、目安だから安物でもいいんだ。
デヴィッド・クリスチャン /シンシア・ストークス・ブラウン /クレイグ・ベンジャミン 著の『ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか 宇宙開闢から138億年の「人間」史』を一か月以上を費やして読了。トルストイの『戦争と平和』より長い時間を要した。個々の記述については、ポピュラーサイエンス本を読むのが好きな吾輩には馴染みがあって、ちょっと退屈。ただ、農耕生活が始まる辺りの文明の誕生辺りは、ちょっと読書の守備範囲から外れていて、勉強になった。網羅的な手堅い記述なので、高校か大学の教養部で一年かけて使うテキストにいいかも。
← デヴィッド・クリスチャン /シンシア・ストークス・ブラウン /クレイグ・ベンジャミン 著『ビッグヒストリー われわれはどこから来て、どこへ行くのか 宇宙開闢から138億年の「人間」史』(長沼 毅 日本語版監修 石井 克弥 /竹田 純子 /中川 泉 訳 明石書店)「最新の科学の成果に基づいて138億年前のビッグバンから未来にわたる長大な時間の中に「人間」の歴史を位置づけ、それを複雑さが増大する「8つのスレッショルド(大跳躍)」という視点を軸に読み解いていく。宇宙論、生物学、化学などの自然科学と歴史学、地理学、社会学などの人文社会学が融合した「新しい学問」、ビッグヒストリーのオリジナルテキスト」
表題にあるように、宇宙開闢から138億年の「人間」史。つまり138億年の宇宙の歴史ではなく、ついには現代の人間に至るビッグヒストリー。しかも、本書では未来学をも紹介している。何故なら人間は過去や現在だけじゃなく、自分の、家族の、人類の将来を気に掛ける存在なので、未来学がどの程度、信憑性信頼性があろうと、あれこれ想像せざるを得ない。その意味で、歴史学の中に(従来なら範疇外だったはずの)未来学を紹介するのは当然というスタンスである。(宇宙史だったら、今後百億年の流れは科学的にかなりな程度に解明されている。確信を持って語れる。)
地球の歴史を語るうえで、生命の誕生や細胞の登場、光合成の獲得(酸素)、多細胞生物の登場などエポックメーキングなステージが何度となくある。その都度、地球環境へ多大な影響を与えてきた。本書は人間史と銘打つだけに、現生人類(人新世)の地球への影響…負荷を語って詳しい。
狩猟採集や遊牧民の生活が農耕時代となって一気に町ができ、都市が生まれ、文明が世界各地で生まれた。農耕は灌漑に限らず、土壌そのものを改変する。山を切り拓き、森を焼き、結果として大気成分の組成をも改変してきた。今や二酸化炭素濃度が急激に高まり、地球環境が(人類や多くの生命体にとって)危機的状況が迫っている。
上記したように、遠い将来については確信をもって語れるが、近未来は不確定要素が大きく、予測が難しい。近未来は人間の掌中にあるのか、それとも持て余し、ついには核兵器などによる破壊的な終末を呼び込んでしまうのか、全く分からない。人間の、あるいは多くの生命体の未来は先が見えない。今は未だ辛うじて我々次第なのだろうと言えるかもしれないが。
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