『日本の渡来文化』再読
← 『日本の渡来文化 座談会』(司馬遼太郎/上田正昭/金達寿 編 中公文庫)「文化の伝播には人間の交渉がある。朝鮮半島からいくたびも渡来してきた人々の実存を確かめ、そのいぶきにふれることにより渡来文化の重みを考える」
今日は風が強かったが、よく晴れていた。よほどバイクでツーリングをと思ったが、やや体が重く、踏ん切りがつかなかった。
読書に専念と思ったが、うつらうつらと寝るばかり。さてようやく目が覚めたかなと思ったが、不意に思い出話を書きたくなって、パソコンを開く暇もなく、スマホで長々と書き綴ってしまった:「夢は嘘をつかない」
『日本の渡来文化 座談会』を読了した。ほとんど車中での待機中に読んだ。再読である。82年の刊。古い本と言うべきか。買った(前回読んだ)のは2015年。
もう30年ほど前になるか、金 達寿著の『古代朝鮮と日本文化』 (講談社学術文庫) などを読んできたし、編集者が司馬遼太郎や上田正昭など錚々たる面々ということもあって、日本の中の朝鮮、もっと広く渡来した文化を知りたくて再読。近年、韓国あるいは朝鮮への妙な反発意識を日本の一部に感じるので、日本と朝鮮がいかに深く関わってきたか、さらには日本という国家や文化伝統の成り立ちにいかに深く朝鮮の人々が関わってきたかを再認識すべきと本書を再度手にした。
本書は、京都で鄭貴文・鄭詔文兄弟が発行し続けている(た?)「日本のなかの朝鮮文化」(十八号〜二十五号)の座談会―「東北アジアの流動と日本文化」「王仁系氏族とその遺跡」、「秦氏とその遺跡」、「紀氏とその遺跡」、「漢氏とその遺跡」、「山上憶良と『万葉集』」、「行基とその遺跡」、「能登と朝鮮遺跡」、「対馬と朝鮮遺跡」の各章からなる。
かなり記憶が薄れてきたこともあり、どの章もそうだったと膝を打つことばかり。「山上憶良と『万葉集』」は、令和で話題になった中西進氏の発言がメインと言っていい。吾輩は柿本人麻呂に魅せられてきた者だが、山上憶良の時代の枠を超えた感性に改めて感じるものがあった。ますます「万葉集」を再度鑑賞しないといけないと感じさせられた。個人的には富山県人であり、すぐ近くの能登に関心が喚起されたし、日朝の交流の歴史の中での対馬の存在感はもっと広く認識されないといけないと思わせられた。今の時代だからこそ、一読を薦める。
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