一難去ってまた一難
← ディケンズ 作『荒涼館 (三)』(佐々木 徹訳 岩波文庫)「 生死の淵から生還したエスターを待ち構える衝撃の数々.鏡に映る変わりはてた容貌,「母」からの思いがけぬ告白,父のように慕うジャーンダイス氏の求婚」
「作家の古井由吉さん18日死去 「内向の世代」の代表:朝日新聞デジタル 」なるニュースを病院に持ち込んだ朝刊で知った。大江健三郎も激賞する作家。機会を作って改めて読み返さないと。
ディケンズ 作の『荒涼館 (三)』を読み始めた。全四巻の本作品を仕事の日は百頁、休みの日は150頁ほどと、淡々と読み続けている。名作だとは思うが、いかにも19世紀前半の作家という感が強い。作家が書きたいことをたっぷりと書き込む。ジャーンダイス対ジャーンダイスこそが本作のメインテーマ。不毛の極みのような底なし沼の訴訟地獄。生き血を抜かれ干乾びていく人々。カフカの城を思わせる、姿は見えるようであり、すぐにも辿り着けそうに感じるのに決して辿り着けない結審という幻想。
最近のコメント