「土に贖う」を読んだ
NHKBSで「世界最北の狩人が暮らす地 グリーンランド」をぼんやり観てる。犬橇。グリーンランド・ドッグだとか。狩るのはアザラシか。犬たちは橇を引いて氷原をひたすら走る。雪原、時に氷の筋を越えて。氷の筋は水の流れだったりする。リーダー犬は、浅い流れを選んで駆けるのだが、中には深い窪みに嵌まり水の中に落ちたり。犬は、懸命に這い上がろうとするが、上手く這い出ることが出来ない。男(ら)が助け上げる。犬は、体をブルブル震わせて水を切る。あとは何事もなかったかのように他の犬たちと共に走り出す。別に男が犬の体を拭ったりはしない。犬は平気なんだ!
折々の休息時、犬たちは雪原の上にそのままゴロンと横になる。何か敷くわけじゃない。毛皮だからって、氷原に横たわって平気なの。足の裏の肉球は平気? 番組では、夜(夜営)の場面はなかった。男らは、テントを張り床には毛皮などを敷く。犬たちはどんな風に夜を遣り過ごすんだろう。犬たちは立ち止まっては、遥か彼方を眺めやる。何を観ているのだろう?
用があって、多目的トイレに入った。座ってするのが好きだから。便座の周辺が惨状を呈していた。思わず、用も果たせず出てきてしまった。……苦労したんだろうなーって、後で目頭が熱くなった。
← 河崎 秋子作『土に贖う』(集英社) 「北海道を舞台に描かれた全7編。これは今なお続く、産業への悼みだ――:」。カバー画:久野志乃「新種の森の博物誌」
河崎 秋子作の『土に贖う』を一昼夜で読了した。評判の書。題名に惹かれたともいえる。
全7編の一作、「昭和初期、北見ではハッカ栽培が盛んだった。リツ子の夫は出征したまま帰らぬ人となり、日本産ハッカも衰退していく。「全く無くなるわけでない。形を変えて、また生きられる」という「翠に蔓延る」の、まさにハッカが何か最後まで分からなかった。ある種の草だとは分かるのだが。調べてみたら、薄荷じゃん。今風にはミントか。
さて、本書、創作なのだろうが、北海道の開拓の歴史を巡る文献を元に創作したとも云えそう。「土に贖う」は、恐らくバブルが弾け銀行が破綻した歴史、最後の「温む骨」などにはインスタグラムが登場するくらいで、時代を追っての創作なのか。本書の末尾に参考文献が示されているが、歴史の事実を元に、歴史には現れ得ない、市井の消えゆくしかない、文学でなければ拾えない物語を編んだのだろうか。
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