12月の読書メーター
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。旧年中はお世話になりました。
12月はデネットの大著、ダ・ヴィンチの大著、平家物語などを読んだので、冊数は少ないけど、頁数は割と多いかも。
12月の読書メーター
読んだ本の数:12
読んだページ数:5455
ナイス数:4747
現代思想 2019年8月号 特集=アインシュタイン ―量子情報・重力波・ブラックホール・・・生誕140周年の感想
テーマは、「相対論からブラックホール撮影成功まで…物理学の巨人、生誕140周年記念特集!」である。中学生の頃からのニュートンと並ぶ我が憧れの的。
過日、買い求めてきたルイーザ・ギルダー著『宇宙は「もつれ」でできている 「量子論最大の難問」はどう解き明かされたか』共々、年末年始はアインシュタインのマイブームである。重力波といいブラックホールといいアインシュタインの、いい意味での呪縛は続いている……ってことが凄い。
読了日:12月30日 著者:佐藤文隆,細谷曉夫,本間希樹,江沢洋,小沼通二,池内了
心の進化を解明する ―バクテリアからバッハへ―の感想
哲学者は文系理系を問わず古今の裁量の文献に接していないといけない。あらゆる知を見渡した上で、人間を生命を世界を考え尽くすこと。言うは易く行うは難しである。古典もだが、最新の科学を知悉するのは、至難のわざである。現代のように科学がどこまでも細分化している中にあって、その筋の専門家でも自らの分野の全体状況を把握するのは困難になりつつある。
読了日:12月29日 著者:ダニエル・C・デネット
怒りの葡萄(下) (新潮文庫)の感想
読了。まさかこんな結末とは! 全く思いもよらない終わり方。だからスタインベックは素晴らしい作家なんだ。読みながら、救いはないよね。今さらハッピーエンドじゃ変だし、どんな土壇場になるのか、ずっと心配だった。杞憂だった。スタインベックなんだよな!
読了日:12月22日 著者:ジョン スタインベック
私たちの国で起きていること 朝日新聞時評集 (朝日新書)の感想
無駄な(採算性の見通しの立てづらい)公共(乃至準じる)事業ばかりが続く。原発(再稼働を含め)、リニア新幹線(今更必要か?)、催事後使い途の分からない東京オリンピック関連施設(1964だったら夢が見られたが)、大阪万博(今どき万博か?)、カジノ関連施設(ヤクザな連中が蔓延るだけ)、福島原発復興事業の数々の愚策(20数兆円の公共事業費の1%ほども被災者支援救済に使われない。潤うのは中央の土木関連会社)、普天間飛行場の危険除去を名目の →
読了日:12月21日 著者:小熊 英二
怒りの葡萄(上) (新潮文庫)
読了日:12月18日 著者:ジョン スタインベック
見出された時II (岩波文庫 赤 N 511-14)の感想
思うに、誰の心にも琴線があるのだと思う。また、琴線に触れる思い出があり、忘れられない曲が折に触れて奏でられるのだろうと思う。そして、ことによったら、その表現の形や手段は、音楽、彫刻、舞踏、絵画、ボランティア、小説、詩などと、違うのだろうとしても、さまざまな形でその人の琴線に鳴る響きを表に示さんと試みるのだろう。
読了日:12月14日 著者:プルースト
フランシス・ベイコン・インタヴュー (ちくま学芸文庫)の感想
想めいたことは前回の記事で書いた。
理解したと言えるかどうか。ただただベイコンの作品群に驚嘆するばかり。似たような作風の作家は皆無だ。
読了日:12月13日 著者:デイヴィッド シルヴェスター
美女と野獣 (角川文庫)の感想
主に子供たちへの教育用に書いたという。勧善懲悪というか、明確な教育的意図が。面白いのは、フランス生まれのボーモン夫人だが、イギリスに滞在していた十年の間に子供向け童話を多作したという。母国であるフランスじゃなく、イギリスの風土が彼女の想像力を開花させたようだ。
読了日:12月09日 著者:ボーモン夫人
芥川竜之介紀行文集 (岩波文庫)の感想
主に仕事の車中での待機中に読んだ。密度の高い純文学の作家で、やや高邁な風な印象を持っていたが、紀行文ということで、芥川の素養はもちろんだが、人間味を感じられて興味深かった。繊細過ぎる神経を自覚していたようだが、旅でその感性を少しでも和らげたいと思ってもいたらしい。ブラジルでのサンバはなかなかの見物だったと思うが、感性を撓めることはなかったか。芥川がストリップ(ヌードショー)を高く評価していたのは、嬉しい。吾輩も後に続くぞ。
読了日:12月09日 著者:芥川 竜之介
新版 平家物語(四) 全訳注 (講談社学術文庫)の感想
祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響あり。娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理(ことわり)をあらはす。平家物語の冒頭の一節。いつから読み出したか思い出せない。一巻読了しては町へ次巻を買いに行く。その繰り返し。長大な物語だけに、我輩も牛歩。それでも最後はせっかちな性分の我輩、松明を頭に括り着けた狂牛の如、駈け足で読むように。
読了日:12月06日 著者:
病む、生きる、身体の歴史 ―近代病理学の哲学―の感想
この数年、科学プロパーの本もいいが、哲学の重要さや意義を改めて考えるようにもなってきた。
例えば、病原体の発見。魔法のような特効薬の開発。また新たな病原体の発見と特効薬。人類はその繰り返しの果てに、「人類を苦しませた病いは消えたが、今日の私たちはまた違った病いの数々に苦しんでいる。」
読了日:12月04日 著者:田中祐理子
サイエンス・ライターが古文のプロに聞くこんなに深い日本の古典 (ちくま文庫)の感想
バリバリのサイエンスライター竹内氏が、恩師であり長年古文の教師を勤めた黒澤氏に、「伊勢物語」「大和物語」「平家物語」「源氏物語」「万葉集」のこれはという場面を巡って質疑応答。それぞれに実に興味深い講義。「万葉集」が典型的だが、古文を読むには、時代背景を単に註釈だけじゃなく、想像力を目一杯働かせないといけない。例えば旅にしても、昔は地図がない。月の出ない闇夜と云えば、恐怖で身動きできない、だけどジッとしていることも出来ず無闇に走り出す、そんな漆黒の海。
読了日:12月04日 著者:黒澤 弘光,竹内 薫
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