「三体」から「わたしは不思議の環」へ
← ダグラス・ホフスタッター 著『わたしは不思議の環』 (片桐恭弘/寺西のぶ子 訳 白揚社)「認知科学の大家でありベストセラー作家でもある著者が、自身の知見と経験をすべて注いだ新たなる知の金字塔。これぞ本物の読書体験!と言えること間違いなしの、知的な歓びが詰まった一冊」
久しぶりに銭湯に行こうと思った。が、日中の晴れが嘘のように、今日はダメよと言うように、夕刻になって雨が。
昨夕より、ダグラス・ホフスタッター 著の『わたしは不思議の環』を読み始めた。
「ゲーデル・エッシャー・バッハ」とはうってかわって、冒頭の数十頁は、入りやすい。それにしても上記の世界的ベストセラーとなった処女作を27歳で書いたとは。畏れ入る。
劉 慈欣作の『三体』を本夕読了した。世界的ベストセラーのSFである。吾輩としてはSF作品は久しぶり。レムの傑作「惑星ソラリス」や、書評を装った短編集……というか、サイエンス放談集のような作品『完全な真空』、あとは、グレッグ・イーガン作の『白熱光』などがこの数年で読んだ主な作品。中学時代はSF少年だったが、レンズマンシリーズを最後に三年にはほぼ卒業してしまった。
← 劉 慈欣著『三体』(大森 望/光吉 さくら/ワン チャイ【訳】/立原 透耶【監修】 早川書房)「三つの太陽を持つ異星を舞台にしたVRゲーム『三体』の驚くべき真実とは?」
さて、鳴り物入りの作品ということで、否が応でも期待値が高まった。それだけに、やや拍子抜け。アイデアもスケール感も圧倒的なのだろうが、結末まで読んできて、物語は、え? ここで終わるの? という感があった。尤も、それも当然で、本作は三部作の第一部であり、物語はいよいよここから本格的に飛躍展開するらしい。
テーマ性もあるし、人類とは地球とは、宇宙とは、と考えさせる要素は多々あるのだが、やはり吾輩には何か物足りない。科学者技術者(あとは軍人や政府関係者)ばかりが目立ち、理系優先なのはいかにもSFライターだなと思わせてしまう。続編を読むかどうかは微妙である。
ま、SFリタイア組の吾輩の感想などは参考にならないだろうね。
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