月影に謎の女
父の遺品の一つにカメラがある。スーツも何も高級品志向の父、きっと高かったはず。故障して買い換えだと言っているうちに倒れた。我輩は、安物志向。デジカメのみ。それも、レンズにカビ生えて放置。その後は、携帯そしてスマホのカメラ機能で間に合わせている。
ああ、夜、月影を愛でられる部屋に住みたい。月影を追いながら眠りに就く。月影を目に焼き付けて想念を玩ぶ。ホームページやブログにどれほどエッセイや掌編を書いたことか。何処かしなびた温泉宿で一筆……は夢か。
今日は、12月3日の内視鏡的大腸ポリープ切除手術の術後検査の日。予定があったのだが、仕事を理由にキャンセルした。雨だったこともあり、行くのが億劫でならなかったのだ。自転車じゃ行けないし、車を使うのも面倒。
来年早々には会社の検診があるので、その際、異常があれば、また、行けばいい。もう、内視鏡検査なんてこりごり。
元気がない。やる気が湧かない。
何が原因なのか。会社などでの孤立感? そんなのは昔からだ。今更、である。
謎の女のゆえなのか。何者なのだろう。自分はどう見ても女にもてるタイプじゃない。少なくとも持てたことがない。何処へ行っても、うぞいおじさんの一人。誰も正視はしない奴。そんな俺をどうしようというのか。
一方、恋する相手が欲しいというのも本音である。空回りしている。
もうすぐ今年も終わる。書くことについては、なんの前進もなかった。覚悟。一歩踏み出す勇気。孤独。一層の孤独。
過日観たサイエンスゼロでの夢の特集が面白かった。特に最後の下り。胎児の段階で脳に出産後活動し始めるための前段階である脳波の上での胎動の動きが見えているとか。夢までには至らないものの、夢の萌芽のような、繭の中のブヨブヨだがいずれは育つための形のない何か。
表現する営為。十歳の頃の手術で鼻呼吸ができなくなり、ずっと口呼吸だった自分。現実世界から閉ざされた孤立した、能無しな自分。その真っ赤な闇の中での蠢き。そこから全ては始まる。
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