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2019/12/21

ほこり高き弥一 掃除機を買うよ

Budo2  ← ジョン・スタインベック/著『怒りの葡萄〔下〕』(伏見威蕃/訳  新潮文庫)「ロッキー山脈を越え、アリゾナ沙漠を渡り、夜は野営地のテントで過ごしながらカリフォルニアを目指すジョード一家。途中、警察から嫌がらせを受けるも、ひたすら西へ西への旅が続く。希望に満ちて“約束の地”に到着したが、そこは同様な渡り人であふれていた。彼らを待っていたのは、不当に安い賃銀での過酷な労働だけだった……。旧約聖書の「出エジプト記」を思わせる一大叙事詩」

 ジョン・スタインベック作の『怒りの葡萄〔下〕』を読み始めている。上巻の感想も描いていないのだが、読むのに夢中。
 長年住んでいた土地を追われ、仕事のある土地目指して長途の辛い旅に出る。小さな安らぎと度重なる失意。家畜も含め大家族だったのが、次第にバラバラになっていく。まだ、旅の途中(読んでいる最中)。明日にも旅は終わる(読み終わる)はず。辿り着く先(結末)が怖い。

 余談だけど、戦前のアメリカの悲惨のはずが、今の日本の悲惨な姿にダブらせてしまう。唯一違うのは、現下の日本では、家族が核家族……どころか孤立した個人がリアルでネットで何かを求めてさ迷ってるってことかな。幸せな人達にはそんな現実など見えないだろうけど。

 弥一、掃除機を買うことに

 仕事の他、庭や畑仕事、病院通い、町内会、家事などが。手を抜くのは何処か。掃除でしょ! 月に一度だってしない。今月は論外で、先月やったかどうか。庭の落ち葉は掃除するけど、家の中は放置。汚れたって他人に迷惑掛かるわけじゃなし。でも、綿埃が凄い。スリッパで摩り固めた埃の固まりがあちこちに。エアコン使うと埃が舞う。埃高き男!
 さすがにこのままではまずいとは自覚している。我輩、ついに掃除機を買うことに。
 今までなかったのかって? ありました。家に古くからある奴。東京在住時代に買い、帰郷の際の連れにした、我輩お気に入りの奴。当所は後者を使っていた。が、パイプの中に何か(靴下か)が詰まった。棒を突っ込んだりして除去を試みるもダメ。よって家の掃除機を使いだした。順調。が、思わぬ伏兵。我輩の怠慢、怠惰である。面倒臭っ。
 この数年、掃除機にも埃が積もっている。じゃぁ、掃除機を新たに買っても無駄じゃん! 買った当所は新しい機械が嬉しくて2、3回は使うかもしれないが、持続はまずありえない。誰しもそう思うだろう。我輩も同感である。異論はない。ただ、今度買うのは、充電式。コードレス。
 コードレスである。しかも、我輩は新しい掃除機を座右に置くつもり。少なくとも、我輩の周辺くらいは折々掃除するに違いない……と思う。

20911_20191221205201 ← 小熊 英二著『私たちの国で起きていること 朝日新聞時評集』(朝日新聞出版)「移民と自衛隊、社会の分断、沖縄と本土──。デモに出かけ、被災地に出かけ、隣近所に住む主婦とも日常会話する「行動する社会学者」の物の見方・思考法がわかる」。

 小熊 英二著の『私たちの国で起きていること 朝日新聞時評集』を読了した。
 感想の類は折々メモって来た。今日もメモだけ。
 無駄な(採算性の見通しの立てづらい)公共(乃至準じる)事業ばかりが続く。原発(再稼働を含め)、リニア新幹線(今更必要か?)、催事後使い途の分からない東京オリンピック関連施設(1964だったら夢が見られたが)、大阪万博(今どき万博か?)、カジノ関連施設(ヤクザな連中が蔓延るだけ)、福島原発復興事業の数々の愚策(20数兆円の公共事業費の1%ほども被災者支援救済に使われない。潤うのは中央の土木関連会社)、普天間飛行場の危険除去を名目の辺野古埋め立て(辺野古基地は滑走路が短くて使い勝手が悪い。土木業者が潤うだけ。破壊された自然は戻らない)などなど、数え上げたら切りがない。

 典型的な男社会、且つ二世議員中心の現政権は、視野が狭い、桜を観る会に象徴されるように、仲間内だけで甘い汁を吸う、既得権集団。自民党は、戦後30年くらいは、田中角栄に見られるように叩き上げの政治家が多かった。戦争の悲惨と国民の塗炭の苦しみを知っていた。政治は多分野党も含め、地の底から湧いてくる、新たな叩き上げが変えるしかない。

 原発はとっくに不良債権。一刻も早く見切りを付け、再生可能エネルギー中心にシフトすべき。このメリットは、施設が出来る地域の地産地消になる。住民が避難訓練なんてバカなことをしなくて済む! 福島に出来た、ばかでかい堤防、嵩上げされた土地。ただでさえ高齢化社会が問題なのに、住民を孤立化させてどうする! マスコミは、あのバカ高い堤防や嵩上げされた土地の惨状をレポートしたらどうなんだ。潤ったのはゼネコン(中央の資本)だけ。被災者は泣かせたままじゃないか!

 現政権は、株主や官公庁、大企業の社員、何かの団体などを潤す政策に傾いている。大多数の働き手は、ただの労働者であり消耗品、会社のコスト扱い。サービス残業させ、安売り競争させて消耗させる。せいぜい数百万人が一層潤ったって資産が増すだけ(消費は増えない)。数千万人が潤えば、一気にデフレは解消する(彼等には貯蓄する余裕はない。消費するしかない)。

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