インフルエンザ予防注射を早々と
一昨日、読んでいる最中だったが、以下のように書いた。なかなかの良書:
同氏がドストエフスキーにこれほど傾倒されていたとは、驚きだ。機(はた)織の専門家だし、吾輩のまるで知らない詩人や研究者との交流があるのはともかく、本書で大きな割合を占めるドストエフスキー関連のエッセイはなかなかの読み物だった。
ただ、だからこそ、一つの疑問が浮かんだ。ドストエフスキーのあれほどの煩悶に満ちた文学を受け止めながら、上村松園などの静謐な絵画や染に打ち込めるのが今一つ受け止めきれない。絵画では抽象表現主義のポロックやジャン・フォートリエ ら、アンフォルメルのヴォルス、生の芸術のジャン・デュビュッフェらのアートこそは、20世紀に於いてドストエフスキーの苦悩のさらなる展開を示しているものと思う。キリスト教の、イエスの救いなどは最早信じられない、そんな時代に生きているという強烈な絶望の自覚から今日が始まっているのではなかろうか。
← 雨晴の道の駅にある「りん鐘(しょう)」 崖がなかなか急峻。
過日、ミニツーリングの目的地・雨晴の崖。急峻な崖に目を止める人はいるのかな。崖の上からの眺めは素晴らしいに違いない。悲しいかな昇って立つことは叶わなかった。だからだろうが、夢の中に崖をよじ登る場面が出てきた。
夢:私は崖下に居る。ふと見上げると、高い所に砦のようなものが見える。白亜の壁面。トーチカのような。昇りたい。間近で正体を確かめたい。這うようにして昇る。なんとか砦に辿り着いた。壁が分厚い。もう何年も放置されていたようだ。
厚さが10センチ以上はありそう。朽ち果てている。風雨に腐食した段ボールみたい。壁に昇るとたわむ。手で押すと凹む。中は空洞。私は中に入ってみた。入り組んでいる。ずっと下のほうに仲間がいる。(以下、忘れた)
仕事に庭仕事を主とする家事、バイクでのミニツーリング、町内会の雑事もあっての読書。「平家物語」から「セロトニン」と、幅広くそれなりに楽しんだ。 2019年10月の読書メーター 読んだ本の数:13冊 読んだページ数:4472ページ ナイス数:4361ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら→ 「2019年10月の読書メーター」
あ、「平家物語」は、全4巻のうちの第三巻まで。以前、現代語訳(奇妙な現代方言調の一巻本)を読んだが、語調に馴染めず。やはり、読み下し文であっても、原文の雰囲気を楽しめるほうがいいと実感している。何たって、琵琶法師たちが大衆に語ろうと工夫したんだし。今月中には、最後の第四巻めを読みたいな。ほぼ半年を費やしてとなる。大河の物語だから、せっせと読む必要はないよね。
← 『芥川竜之介随筆集』(石割 透 編 岩波文庫)「古今東西にわたる深い学識,郷里(現・墨田区向島)への想い,交友を大事にした人柄など,芥川の素顔を良く伝えている」
『芥川竜之介随筆集』を今朝未明読了。
以前、以下のように書いた:
芥川は、北斎をモーパッサンを偽物だと貶す。我輩は、俗物なのか、両者共に好きだ。北斎の絵は、複製なのに、額に入れてあちこちに飾ってある。芥川って、下町育ち。意外というか納得というか。批評眼の卓抜さを感じる。本所育ち。関東大震災に被災の恐れもあった。
下町…大川…今で言う隅田川に掛かる両国橋などの近辺。本書冒頭の「大川の水」が秀逸。場合によっては、芥川は下町での思い出や経験を土台にした小説家となる可能性もあったかもと思った。が、今昔物語などを元に「羅生門」や「鼻」を書いた。生みの苦しみを味わったようだ。小説家・芥川龍之介の誕生である。が、あまりいい読者とは言えない吾輩の印象だと、芥川はあまりに眼識というか見識が鋭かったように感じる。創作家たることを何処か内部から(自分で)傷つけていたように思えてならない。
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