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2019/11/19

終わりなき表現へ

247495 ← ソロー 著『森の生活(下)(ウォールデン)』(飯田 実 訳 岩波文庫)「1854年に刊行された本書は,自然とともに生きた著者ソロー(1817―62)の忠実な生活記録であると同時に,「どう生きるべきか」という人生の根本問題を探求した哲学の書」とか。

 今日は、午後の三時から自動車事故対策機構で適性診断を受けに。65歳以上となってタクシードライバーたるには受診しなければらない。久しぶりに婦中町にあるトラック会館へ。

 受診結果は可もなく不可もなし。検査終了後、若い素敵な女性に講評をもらい、アドバイスを受けること30分弱。検査も併せ2時間の滞在。
 会館の入り口は全く照明がなく、暗い。雨上がりの5時ともなると、夕闇。
 初めてタクシードライバーとなったのは、1995年の9月。数年の中断を挟んで20年以上。こんなに長くやるとは夢にも思わなかった。

 ソロー 著の『森の生活(下)(ウォールデン)』を昨日から読み始めた。
 上巻でも呟いたが、本書には写真が豊富に載っている。上下巻で600頁に66枚。それは嬉しいが、写真の説明が全くない。これじゃどう楽しめばいいのか分からない。下巻に説明があるのな。すると確かに下巻の末尾に画像一覧と説明が。これは、親切なのか。いや怠慢では?やはり、写真には個々にその都度、説明が欲しいよ。

 そういえば、今年はネーブル、実が一つも生らなかった。苗木で植えたその年でさえ、実が2つだったか生って驚いたっけ。3年目の去年は豊作だった。樹高1メートル余りの幼い木が小さくはないネーブルの実をいっぱい。少女がお腹を大きくしているようで、枝のたわんださまは、健気でもあり、痛々しいような。といって、全く生らないって、どうよ!
 施肥、全くしなかったから、今年は臍を曲げたのかな。施肥はしないけど、根元に落ち葉など撒いておくかな。

Davinci_20191119204001 ← ウォルター・アイザックソン著『レオナルド・ダ・ヴィンチ 下』 (土方奈美訳  文藝春秋)「人類の、自然の、宇宙の秘密を、いつも知りたかった。死者の顔の皮膚を切り取り、筋肉を研究したことであのえもいわれぬ「モナリザ」の微笑を生み出した」。

 ウォルター・アイザックソン著の『レオナルド・ダ・ヴィンチ 下』 を今朝未明読了した。これで、上下巻と全部を読んだことになる。実に充実した読書体験となった。ダ・ヴィンチへの目配りの効いた叙述。レオナルドの天才ぶりを一層認識させられた。

 20年ほど前だったか、ダヴィンチの手稿を読んだことがあったが、自分はレオナルドの凄みをほとんど理解できていなかったことを思い知らされた。
 レオナルド自身は、モナ・リザも含め、お気に入りの絵画作品は晩年に至るも完成していないと思っていたようだ。完成などありえない。自然を探求すればするほど分からないこと、知りたいことが見えてくる。観察と研究の結果をモナ・リザへも注ぎ込む。終わりなき探求であり表現なのである。

 折しも昨夜、NHKでダ・ヴィンチ特集続篇。心臓の血流の要である弁の開閉のメカニズム。血流が渦を巻くさまをレオナルドは描いている。弁はともかく、渦は見えない。なのに何故レオナルドは描けたのか。そこには、レオナルドの水、特に渦への関心があった。髪の毛の渦巻きも。本書には、その点も詳しい。ダ・ヴィンチ、凄すぎる!
 驚くべきは、空の青さへの疑問。何故空は青いのか。こんな疑問を抱くことも稀有だが、レオナルドは青く見えるのは何故かを解明している! さすがに虹の七色は解明していないが。

 さらに、大地の起伏や断層も。ノアの方舟話。大洪水があった云々。レオナルドは、山の上などに化石を見付け、特定の層には特定の種しか見付からないことから大洪水をあっさり否定した。大洪水があったなら、雑多な種の化石などが見付かるはずではないか。
 山の上に海に棲む貝の化石を見付け、大地が盛り上がったと解明。月が、地球が丸いことも観察で解明。月から地球を観れば丸く見えるはず、とも。太陽は動かない! なにゆえ、そんな洞察が? 地球から太陽への距離も測定を考えた。小さな穴(スリット)から太陽を覗いて。
 地球が自転していることは見抜けなかったみたい。観察だけで自転していることは、洞察することは不可能なのか。あるいは、よもや地球が自転しているなんて、思いも寄らなかったのか?

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