「聊斎志異」と「今昔物語」と
← 蒲 松齢 著『聊斎志異 下』(立間 祥介 編訳 岩波文庫) 「下巻には,長短とりまぜて41篇の怪異譚を収める」「筆者の手にかかると,現実にはありえない話も,一読,目に見えるような精彩を放つ」
蒲松齢作の『聊斎志異 下』を昨日、読了した。これで上下巻を読んだことになる……のだが、全訳ではないことを解説で読んでちょっとショック。まあ、精選ということか。
聊斎とは、著者の号及び書斎の名。「聊斎志異」とは、聊斎が怪異を記すの意。日本で云えば、「今昔物語集」の本朝(日本)編に相当するか。というのも、浅学の吾輩、ふと、芥川らに影響を与えた「今昔物語」を連想せざるを得なかったのだ。というか、過日、福永武彦訳の「今昔物語」を読んだばかりで印象が強いせいもあるかもしれない。
というよりも、その印象があるから「聊斎志異」を手にしたのかもしれない。
似ていると言えば似ている。が、違う側面も。
「今昔物語」は、『日本霊異記』そのほかや『竹取物語』などから話が取り込まれている。一方、「聊斎志異」は、全て民間伝承の話を蒲松齢が編集し、物語に仕立てたと言われる。但し、吾輩は確かめられないでいる。近代においてはありえないような話がこれでもかと。
「今昔物語」は、芥川や太宰、驚いたことにフランツ・カフカへも影響を与えたようだ。「聊斎志異」は、どうなのか。
失われた20年。デフレが続く。経済も賃金も出版界も科学技術力も国力も。まもなく韓国に追いつかれ追い抜かれる。これだけ国債(借金)を積み重ねても、零落れるばかりってことは、政策が基本的に間違っているってことを示している。
猛烈な台風が。本土へ向かう台風も、大半は中部の山々に行く手を阻まれ、西日本へ、あるいは東日本から北日本へ。北陸(富山)は台風禍を免れる。テレビて見るだけでも風雨の凄まじさが分かる。被害の最小であることを。その富山は一旦台風が掠めると大変。風が山々に行く手を阻まれ、巻く、巻きまくる。風があちらからこちらから。数年前には、庭の杉が幹の中途で折れ、隣家の茶の間の窓辺へ倒れこんだ。
← カント著『視霊者の夢』(講談社学術文庫) 「哲学者カントが、同時代の神秘思想家スヴェーデンボリの「視霊現象」を徹底的に検証。当時当い世評を得ていた霊能者へのシニカルかつ鋭利な批判を通して、人間の「霊魂」に対する哲学者としての見解を示す。『純粋理性批判』に至るステップとなった、重要著作」
カント著の『視霊者の夢』を昨日から読み始めた。「霊界は空想家がでっちあげた楽園である。」冒頭からこの決め付け。白けるよね。カントさん 正直過ぎる!
しかしながら、ここからがカントのカントたる所以で、霊界に関する物語の真相を究明するにあたって、誠意ある態度を示すと続けている。危ない気がする。霊界の論理に太刀打ち出来るとは思えない。泥沼に嵌まるのが目に見えている。でも、カントは誠実なんだなー。
ところで、本書における霊を、心とか魂とか神とかに置き換えて読解することは可能だろうか?
中学生の頃だったか、覚えたての歌をもじって、「屁ー出るワイフ 屁ー出るワイフ♪」って口ずさんでいたら、あの子に聴かれちゃって……。あの子の目の冷たかったこと。
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