腫瘍は「胚の邪悪な双子」
← ポール・デイヴィス著『生物の中の悪魔「情報」で生命の謎を解く』(水谷淳訳 SBクリエイティブ)「最新科学の成果を「情報」という概念から捉えなおして、生命の秘密を解き明かす、スリリングな科学読み物」
月に一度の内科医院へ。まずまずの数値に先生、上機嫌。ただし、完治には先は長い。体重も緩やかに減りつつある。
今日もまた、町内会の雑用。資源ゴミステーションの管理に、神社の初穂料の回収。夕方、庭仕事しようと考えていたが、つい居眠りして気が付いたら六時前。今日はサボることに。
ポール・デイヴィス著の『生物の中の悪魔』を読了。本書については、「いい意味で期待(予想)を裏切られた。読み応え十分以上」などと呟いている。
昨日は、「ガンの始まりは、多細胞し始めた時から。多細胞化するメリットはあったからだが、同時に単細胞の細胞にはストレスも。本来は細胞は、どんどん分裂し増殖したい。が、多細胞体を構成する以上は、その能力が封印されるか、制約される。つまり、細胞たちは、常に隙あらば勝手に増殖しちゃうのだ。進化の淵源を辿ることから、ガンの治療法を探る研究も」とか、「進化の樹で、かなりの分枝でガンが発生している。その一方で多細胞体なのに発生していない分枝も」などと。
いくつかの腫瘍遺伝子が、胚発生と関係しており、腫瘍遺伝子を除去すると、胚発生に大惨事を引き起こす。腫瘍は「胚の邪悪な双子」なのだという。「進化の歴史全体におけるがんの立場を完全に理解することで初めて、この致死性の病気に直面した人類の平均寿命に大きな影響を与えることができる」……。なんだか迂遠な気がするが。
著者の本とは長年の付き合いがある。訳書を手にツーリングし、旅先の景勝地で、本を読み、目が疲れると風景を愛でる、という趣向を楽しんだ。が、本書は、科学読み物と言いつつ、正直、著者を再評価再認識させる本だった。詳しくは書かないが、題名の悪魔とは、ラプラスの魔ではなく、マクスウェルの悪魔を意識してよさそう。
鳥のナビゲーション(渡り)については過去、諸説が語られてきた。太陽と星の位置、周囲の景色、匂いの手がかりなどなど。最近注目されているのが、地磁気を感知しているという能力である。視覚的なデータと磁場のデータを組み合わせて飛行の方向を決めているとか(ここには量子の悪魔が関わっている)。
人の嗅覚にも量子の悪魔が関与しているという。
こうした量子力学が本書では情報という言葉に集約されていくのだが、その辺りは小生には簡潔に紹介するのが難しい。課題は多いし前途遼遠という気がするが、刺激的な読み物であることは間違いない。
一昨日、ミシェル・ウエルベック著の『プラットフォーム』を読了した。感想には書かなかったが、語り手は、バカンスの合間に、なぜか、フランスの哲学者・オーギュスト・コントの『実証哲学講義』を拾い読みしている。なぜ、こんな本を。吾輩は、西洋の有名な哲学書(翻訳)は、それなりに読んできたけど、本書は題名だけで敬遠してきた。全く読んでいないはず。『世界の名著』は、20冊ほどは読んだが、『世界の名著 (46) コント・スペンサー』は、スルーしたっけ。
こうなれば、コントの本を読まないといけないかも。読まず嫌いはいけないね。思わぬところでしっぺ返しを喰らった。
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