蜘蛛の巣は張ったままでいいのだ
← 日本植物病理学会『植物たちの戦争 病原体との5億年サバイバルレース』(ブルーバックス)「陸上植物が生まれてから約5億年といわれるが、その長い時間、植物と病原菌は生死をかけた「果てしなき戦争」を繰り広げてきた。スパイさながらの防諜戦、大量破壊兵器とそれを迎撃するミサイル、感染すると細胞がアポトーシスする「自爆機構」など、植物と病原体の分子レベルの闘いは、きわめてダイナミックである」
夏風邪。今日になって、ほぼ治った。咳はほとんど出ないし、喉の痛みも和らいでいる。そうだ、久しぶりに銭湯へ行こう! なんだかワクワク。洗面道具を揃え、自転車を転がして十数メートル行ったところで、はたと疑心が。今日は何曜日? もしや金曜日では。スマホで確認。そうだった、今朝は燃えるゴミの日、金曜日だ。がっかり。風邪での脂汗の体を洗い流したかったのに。
ショック! 朝シャンしたんだけど、ボイラーの種火、オンのまま。たった今、気付いた。これから、シャワー、浴びようと、洗面所に入った途端、ボイラーのスイッチが点灯してた。
日本植物病理学会編著の『植物たちの戦争 病原体との5億年サバイバルレース』をこの連休中に読了した。
一昨年から、人間と人間に共生ないし、悪さもする細菌に絡む本を読んできた。今度は、植物と細菌との関りを知りたくて本書を手にした。
日々、庭や畑仕事に汗を流している。日々といっても、体調不良で最近はやや休みがちだが。それでも、茶の間の出窓からちょっと外を見ると、あるいは玄関の戸を開けると、庭木や草花やなんといっても、雑草が生い茂っている。樹木の根元には、枯れ葉や毟った雑草などが堆積している。その中には、苔や菌類やバクテリアなどが蠢いているはずである。動物たる我々は、気に喰わない相手がいたら、その場を立ち去ることができる。が、植物は原則、その場を動くことはできない。逃げるという選択肢はない。そんな植物に菌糸が襲い掛かってくる。バクテリアに襲われるがまま……のはずはない。では、どうやって防ぐのか。疑問は尽きない。
本書は日本植物病理学会の編著。小生は、こうした学会があること自体、初耳だった。書き手は全て農学部の方たち。植物たちと細胞との攻防。共存の仕組みを含め、ひたすら学ばせてもらった。
蜘蛛の巣が至る所に。原則、蜘蛛の巣は撤去どころか、破ったりもしない。別に蜘蛛に優しいわけじゃない。蚊などの虫を退治してくれると期待してのこと。さすがに、玄関先くらいは除去しないと、だらしない家と思われそう。我輩の通り道だけは、破るけど、ゴメンね。
間違っても、我輩が不精で蜘蛛の巣を放置していると思わない(言わない)ように。仮に正しい指摘だとしても。というか、ほんとのところ、真相は分からない。何年か前までは、蜘蛛の巣は見付け次第、杓子定規に片っ端から取ってた。ある日ある時、はたと気付いた。蜘蛛の巣を除去することに意味はあるのか。蜘蛛の巣は、蚊や蛾などの虫を取ってくれているんじゃないか。蜘蛛や蜘蛛の巣が嫌いだからって、撤去することはないんじゃないか。いや、むしろ、我輩たち人間に役立っている面もあるんじゃないか……。そこまで考えたかは定かではなく、蜘蛛の巣を取るのが面倒になった我輩が、その怠慢をことし、隠蔽し、更には正当化するための理屈を捻り出したのではないか。そんな疑念がなきにしもあらずだが、そこは大人の我輩、知恵ある風を装うのだ。
多分、今年初めて掃除した。破れが目立って、細かいことには拘らない我輩も、さすがに下着とは言え、着るのを躊躇うシャツの最後の奉仕。水をたっぷり浸して、いざ拭き掃除。シャツに綿埃が絡め取られる……と期待していたが、真っ黒な綿埃の塊が部屋や廊下のあちこちに点々と。
前回、曲がりなりにも掃除したのは、いつだったか。今年はやってない。ティッシュで部屋の隅っこを拭ったことなら、2度ほどある。だが、我輩の基準からしても掃除とは言えない。確か、三年ほど前、モップで数部屋を拭きまくった記憶が。
日頃、庭木の剪定作業は、怠りなくとは言えないものの、やってはいる。それは、庭木への愛情からというよりは、他人様に迷惑をかけないため。生け垣の庭なので、枝葉が伸びると車道に垂れかかる。車にも歩行者にも迷惑。やるしかない。だが、家の中となるとどれだけ汚れようと、綿埃が目立とうと、誰に迷惑をかけるわけじゃない。来客もないし(点検などの業者くらいか)、自分が気にしなければいい。庭仕事に頑張る分、手を抜くところは、家の中でしょ。だが、風邪を引き、喘息気味の咳がこの数日、止まらず苦しかった。もしかして、この咳の原因の一端は、部屋や廊下のあまりの汚なさにもあるのでは……。そんな疑心暗鬼の念に囚われ、昨夜は悶々と。
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