« 久しぶりの夕焼け | トップページ | 蜘蛛の巣は張ったままでいいのだ »

2019/08/01

愛欲が白釉の垂れるように爛れ

9784065152164_w ← 日本植物病理学会『植物たちの戦争 病原体との5億年サバイバルレース』(ブルーバックス)「陸上植物が生まれてから約5億年といわれるが、その長い時間、植物と病原菌は生死をかけた「果てしなき戦争」を繰り広げてきた。スパイさながらの防諜戦、大量破壊兵器とそれを迎撃するミサイル、感染すると細胞がアポトーシスする「自爆機構」など、植物と病原体の分子レベルの闘いは、きわめてダイナミックである」

「都心の異空間」タクシー泣かせのガード、新駅で廃止へ 」最も天井が低いところは高さ1・66メートルとか。吾輩が東京在住時代の職場が芝浦の付近、海岸にあった。自宅は高輪。なので、東海道線を超える必要がある。いろんなルートがあるが、近道は、このガードを使うもの。初めて通ったのは、1981年の4月だったか。普通車でもプレッシャーがかかる。ましてタクシーだと行燈が気にかかる。何度となく、歩いて、車で、タクシーでこのガードをくぐった。この地下ガードが無くなる。なんだか、淋しい。

 上掲書、書店で発見購入。細菌、バクテリアと人間との関りを描く本は一通り読んできた。人間の体細胞は、数十兆。体の内外に共生するバクテリアは、その10倍とも。まして、家の内外や土壌には、さらにまたその数倍以上のバクテリアが。ヒト(に限らず動植物)は、バクテリアの海に辛うじて漂っている。今度は、植物たちのバクテリアとの闘いを記す本。植物は、移動できない。その場(体)で闘うしかない。バクテリアについて、視野を広げたくて読む。文学や哲学もいいが、科学(技術)にも知見を求めたい。

 日々、雑草や繁茂する樹木やその枝葉との格闘。防草シートを張ったり、砂利を撒いたり、庭の植物たち(昆虫らにとってもか)には、天敵のような振る舞いをしている。いかに植物が難敵か思い知らされている。たまには、敵(敵だなんて決めつけてゴメンね)を知らないと。

 バクテリア…黴菌に関連して…?

 日々、雑草や繁茂する樹木やその枝葉との格闘。防草シートを張ったり、砂利を撒いたり、庭の植物たち(昆虫らにとってもか)には、天敵のような振る舞いをしている。いかに植物が難敵か思い知らされている。たまには、敵(敵だなんて決めつけてゴメンね)を知らないと。
 十数年前のことで、当時はまだ我が家では、細々ながら稲作をやっていた。東京在住の我輩だが、5月の連休には、バイクで帰省。日頃の怠慢のお詫びにというわけではないが、田植えの手伝いをするのが習いになっていた(当時はまだ、田植えは5月の連休中にするのが一般的)。さて、である。水虫で悩んでいた我輩、(無論、両親には水虫であることは内緒で)素足で田植えし、水虫が治るか、試してみたのだった。そもそも、田植えするのに、長靴は邪魔。泥濘に長靴が取られて、疲れること、この上ない。
 正直、一か八かである。下手したら、とんでもない病原菌が足裏のへたった皮膚から浸入しないとも限らないではないか! が、当時の我輩は、悪化して惨状を呈する足裏に困りきっていた。藁にもすがる思いだった。さて、結果はどうだったか。治ったのである。完全とはいかなかったが、ほぼ治った。田植え作業は、3日も要しなかったので、あと数日、水田に素足を長時間、浸す(晒す)作業を続けたなら、あるいは水虫は完璧に治ったやも知れない。
 この荒療治は、正しかったのか。たまたま、治ったに過ぎず、もしかしてひどい結果に至った可能性もなきにしもあらず。この話は今まで一度も、誰にもしたことがない。世間の良識ある方々は、どのように評価されるだろうか?

100123_xl_20190801210001 ← 川端康成/著『千羽鶴』(新潮文庫) 「父の女と。女の娘と――。背徳と愛欲の関係を志野茶碗の美に重ねた、川端文学の極致」とか。「他に「波千鳥」(続千羽鶴)を収録する」。 

 川端康成作の『千羽鶴』を読了した。いかにも川端らしい、繊細濃密な心理描写。親の愛欲が志野茶碗を小道具に、子にも呪いのようにつながっていく。志野焼は、「美濃(岐阜県)にて安土桃山時代に焼かれた白釉を使った焼物」とか。父の関係した女性の口紅が茶碗の縁に。拭っても消えない愛の痕跡。白釉の垂れるように、愛欲がどこまでも爛れて残っていく。本書は未完のようだ。いよいよさらに深まりそうなところで終わっていて、消化不良の感あり。

 我輩としては、多く読んだのかな。ただ、6月に入院手術したこともあって、(医師のアドバイスもあり)庭仕事の回数を減らした皮肉な結果でもある。2019年7月の「読書メーター 」読んだ本の数:17冊 読んだページ数:5101ページ ナイス数:3476ナイス ★先月に読んだ本一覧はこちら → 「庭仕事の自制の齎した成果

|

« 久しぶりの夕焼け | トップページ | 蜘蛛の巣は張ったままでいいのだ »

書籍・雑誌」カテゴリの記事

日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

恋愛・心と体」カテゴリの記事

読書メーター」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 久しぶりの夕焼け | トップページ | 蜘蛛の巣は張ったままでいいのだ »