不思議な定期検診
今日は年に2回の定期検診の日。いつも、さんざん待たされるので、本を持参。さらに、健保カードの提示を求められるので持参。が、今日は信じられないほどスムーズで。一頁も読むひまがなかった。健保カードの提示も求められなかった。レントゲン、病院内に装置があるのに、なぜか検診のバスが横付けされていて、バスの中でレントゲン。不思議な検診だった。ま、スムーズに終わったのだから、文句はないけどね。
運動不足解消もあって、今日もハードな庭仕事。幅2メートル 長さ15メートルの裏の砂利道の改修作業。落ち葉の季節には砂利道に落ち葉。掃除が大変。手作業になるのだ。防草シートを張って、掃き掃除できるようにする。砂利をスコップで掬い、台所の外などに敷いた。今日、ようやく目処が付いた。都合4日。こんなに大仕事になるとは思わなかった。次は、砂利を取り除いた小道に防草シートを張るなど詰めの作業。雨になりそうな空を睨みつつ、懸命の力仕事。三時間でヘトヘトになった。
◎ 安岡章太郎著『流離譚』を巡って:
確か、上京しサラリーマンになった頃に入手し読んだ。安岡の先祖の話。維新前後の歴史に深く関わっていた。表舞台で活躍し歴史に名を残す人はほんの一握り。土佐勤王党の一人だった。臥薪嘗胆を地でいく日々を丹念に追っていく。維新を華々しく語り賞揚するのは勝手だが、歴史の陰にどれほどの人々が埋もれていったことか。維新を語るなら、司馬遼太郎もいいけど、本書や「夜明け前」くらいは読んでほしい。
◎ 大岡信著『抽象絵画への招待』(岩波新書)を巡って:
アートとの出会いは中学時代。学習雑誌の付録に、毎月、ゴッホやルノワール、モディリアーニなどの複製画。モディリアーニには参った。高校でダリやキリコ、デルボー。大学で改めてゴッホ。フリードリッヒやターナーなど。やがて、エゴン・シーレ。モロー。卒業後、ルソーなど幻想芸術に惹かれるも物足りない。そこに平手打ちを食らったのが本書。抽象画の世界へ! 一気に絵画の世界が広がった。クレー、ポロック、デュビュッフェ、ミロ……。
◎ ハイゼンベルク著『部分と全体』(みすず書房)について:
学生時代時代に入手。世界最高峰の物理学者たちが、かの古代ギリシャの哲人たちよろしく、逍遙(ペリパトス)しながら、量子論の構築に勤しんだ。そう、一般向けの物理学書は数々読んできたけど、歳月の風化に耐えられる本は少ない。友人に薦めたら、呉れという。代わりにバッハかブラームスのLPをやるからと。交換に応じた。が、やはり再読したくて、再度購入し、さらに2度読んだ。ハイゼンベルクには、毀誉褒貶はあるが、我が英雄の一人であることに変わりはない。
◎ セリーヌ著『夜の果てへの旅』を巡って:
上京して間もない25歳の頃、宵闇の東京の街を行く宛もなくふらふら。とある古本屋に。何を探していたわけじゃない。ふと目についたのが本書。中央公論社の世界の文学シリーズの一冊。ほんの気紛れで、函から出してパラパラ捲ったら、まさに当時の自分のやさぐれた気分に直撃。「罪と罰」以上に! だって、ラスコーリニコフにはソーニャがいるけど、俺には誰もいない! セリーヌは、碌でなし、とんでもない奴。だけど、そんな奴だからこそ書ける世界があるのだ。
新潟県十日町市竹所(たけところ) 建築デザイナーのカール・ベンクス 双鶴庵。古民家再生 いいなー。我が家も、古民家というには、築65年だが、地元の家々が次々新築となり、コンビニやマンション、駐車場となる中、意地でも古き農家の佇まいを残していくんだ。……地震で倒壊しなければだけど
先代の我が家は、空襲で全焼。蔵だけ、骨格が残った。蔵のモルタル(泥壁)には、グラマンの機銃掃射の弾痕が残っていた。昔の我が家、写真もない。どんなだったのか、今、不意に知りたくなった。確か、明治時代に、本家に土地をもらって分家したって聞いている。
◎ 芭蕉の句や「奥の細道」を巡って:
芭蕉の句集は、「奥の細道」も含め、若い頃から触れてきた。芭蕉は、ある意味、我輩には罪な存在である。なぜなら、詩的センスに(も)欠けると自覚してきた自分だが、ほとんど唯一芭蕉の俳句だけは、この鈍な自分にも俳句の世界の奥深さを感じさせてくれた。が、それが大いなる誤解、勘違いだった。そうじゃなく、我輩のごとき鈍い感性の者の感受性にすら突き刺さるほどに、芭蕉の句の持つエネルギーはすさまじいということを示しているに過ぎないのだ。それが証拠に以後、詩の世界に広く見開かれることはなかったではないか! ああ罪深き芭蕉!
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