アレホ・カルペンティエール『バロック協奏曲』へ
← 山口 誓子 (著) 『俳句の心』 (毎日新聞社 (1975)日本の心シリーズ)
「山口誓子 - Wikipedia」によると、「1901年(明治34年) - 1994年(平成6年))は京都府出身の俳人。本名は新比古(ちかひこ)。高浜虚子に師事。昭和初期に水原秋桜子、高野素十、阿波野青畝とともに「ホトトギスの四S」とされたが、のちに同誌を離反した秋桜子に従い「ホトトギス」を離脱。従来の俳句にはなかった都会的な素材、知的・即物的な句風、映画理論に基づく連作俳句の試みなどにより、秋桜子とともに新興俳句運動の指導的存在となる。戦後は「天狼」を主宰し現代俳句を牽引した」とか。
日野草城、水原秋桜子、川田順、富安風生、中田みづほ、山口青邨、西東三鬼、秋元不死男ら、関わった人物群がさすが。若いころ、住友の社員だったり嘱託として俳句に勤しんだという。住友の懐の広さを感じる。本書は父の蔵書。書庫から引っ張り出してきた。父はサラリーマン時代、俳句に凝っていた。同人誌にも関わっていた。同人らは、箱入りの立派な装丁の句集をたぶん、自費出版している。我が家には20冊もの句集がある。父もいつかは出したかったのだろうか。
「山口誓子 - Wikipedia」には、以下の句が示されている:
学問のさびしさに堪へ炭をつぐ(1924年作。『凍港』所収)
かりかりと蟷螂蜂の皃(かほ)を食む(1932年作。『凍港』所収)
ほのかなる少女のひげの汗ばめる(1932年作。『凍港』所収)
夏草に機缶車の車輪来て止まる(1933年作。『黄旗』所収)
ピストルがプールの硬き面(も)にひびき(1936年作。『炎昼』所収)
夏の河赤き鉄鎖のはし浸る(1937年作。『炎昼』所収)
海に出て木枯帰るところなし(1944年作。『遠星』所収)
炎天の遠き帆やわがこころの帆(1945年作。『遠星』所収)
我がブログには、「俳句・川柳 」や「季語随筆」なるカテゴリーがある。一昔前は、結構、熱心に俳句の話題を採り上げていた。というより、2004年に開始したブログは、ほとんど季語随筆関連の記事で埋まっていたほど。
以下は、綴ってきた季語随筆の表題の一部である:
苧環や風に清楚の花紡ぐ
木蓮は一億年の夢と咲く
雨音を窓越しに聴く日長かな
陽に耐えてじっと雨待つホタルブクロ
衣擦れの音も妖しき白木蓮
秋爽の感極まれり地球照
ドクダミや二つの顔ではびこれり
雫垂る木槿の面に空映し
姿なき守護神ならん守宮かな
← アレホ・カルペンティエール(著)『バロック協奏曲』(鼓直(訳)《フィクションのエル・ドラード》 水声社)「銀鉱で成り上がったメキシコ生まれの主人と従者の出立から始まる物語はやがて、黒人の奏でるギター、街頭を轟かす謝肉祭の喧噪、ヴィヴァルディのオペラ、ルイ・アームストロングのトランペットへと、変幻するテンポのうちに秩序は多元的に錯綜していく〈幻想交響曲〉で幕を下ろす]とか。
アレホ・カルペンティエール作の『バロック協奏曲』を読み始めた。ようやく手にすることができた。
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