夏を読書で乗り切る
← 平野啓一郎/著『透明な迷宮』(新潮文庫)「初対面の男女が巻き込まれた官能的な悲劇。現実が隠す美を結晶化した珠玉の短編集」。
先週、二か月ぶりに書店へ。在庫がなく入手できなかった本が届いたという連絡があり、今日、炎天下の最中、繁華街へ自転車を駆って。暑い! 蒸し暑い! 注文した本のほか、ニュートンの主著「プリンキピア」やトルストイの「幼年時代」「少年時代」などもゲット。リチャード・ドーキンスの自伝も。今夏を充実した読書で乗り切るよ。
今日行った書店はデパートの中にある。せっかくなので、地下の食品街へも。数年ぶりに好きな和菓子をゲットしてきた。今、冷蔵庫の中。
平野啓一郎作の『透明な迷宮』を今朝未明、読了した。
初めて読んだのは、処女作なのか、『日蝕』。単行本が刊行された直後に買って読んだ。が、読めない漢字が少なからず、肝心の作品の世界に入れなかった。別に、若書きの作品の(小生が感じる)生硬さ、高飛車さを反省したわけではなかろうが、本書を読んで感じたのは、小説としてずっとこなれているし、吾輩のような平凡な読み手にも作品の中に入れるし、楽しめさえできたこと。
本書は短編集で、いろんな趣向の仕掛けや工夫がされていて、それぞれに楽しめる。
が、何か違和感を覚えたりもした。その正体は自分でも分からないのだが、作家としての一貫したテーマというか、抱え込んでいるだろう課題が見えないこと。一生をかけてこれを書くという何かが感じられなかった。ただ、これは短編集だからこその印象で、長編を読まないと、平野氏の本領は分からないってことかもしれない。
← 『ショーペンハウアー全集〈2〉意志と表象としての世界』 (斎藤忍随ほか訳 白水社 1972年)
いよいよ今日から読み始めた。主著の正編。学生時代から、この全集版を始め、中公版など各種の訳書で通算、四回読んだ。今度で五回目。ウエルベックに刺激されて、久々に挑戦する。哲学書でこれだけ読むくらいで、吾輩がいかにショーペンハウアーを評価しているかわかるだろう。哲学書だが、音楽など芸術論の書、宗教論の書でもある。真夏の暑さに負けぬよう、読み通す。
本書を読むと決めたのは、活字の大きさ。中央公論社の世界の名著シリーズ版(西尾訳)も所蔵しているが、もう、上下二段組の本を読むのは辛い。昔は、普通に読めていた……。悲しい現実である。
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