老眼のせいか読書が続かない
← 我が家の裏の小道。砂利、ほぼ撤去。通算4回の作業となるとは想定外。あとは、パラパラ残っている砂利を片付け、防草シートを張る。幅2メートル弱、長さ10メートル余り。翌日が休みの日にやりきるぞ!
ある読み友のつぶやきに、「老眼のせいか、集中力のせいか読書が続かない」とあった。ビビビと来た。長編も(面白ければ)徹夜も苦にせず読みきった、なんて遠い昔のこと。泣く子と老眼と眠気には勝てない。対策はない。勝とうなんて気はさらさらない。眠気なのか目の疲れなのか(認めたくはないが、理解力……咀嚼力の劣化なのか)、下手すると数頁(2を含む)ごとに目を閉じ、気が付くと本が床に、涎があごまで垂れている自分を見出だす。
対策はないと書いた。柳に風……と言いたいが、瞼が重力に勝とうなんて身の程知らずなのだ。
敢えて対策モドキを云えば、併読である。小説(文学)と、ジャンルの遠い本(今なら鳥の研究書)とを交互に読んでいる。数頁読んで集中力が途切れると、あっさり隣に置いてある本に浮気する。誰も咎め立てはしない。
……それに、本を手にしていると、不思議にあれこれ思い出したり、気付いたりする。隣の台所へ行ったり(台所に立ったはいいが、何ゆえ来たのか見えなくなる)、チラシを見たり、よしなし事をスマホに書き散らしたり。ま、読書の最中は、いろんな意味で頭の中が活動が活発になるのだ。そう思いたい。そして、重力と睡魔に身を委ねる。
買い物する。レシートは必ず受け取る。レジの打ち間違いの有無を確認するためというより(結構ある!)、18から独り暮らしを始め、生活費に困窮することしばしばだったので、日記帳に添付してきた。日記帳は実質、家計簿のようなもの。二十歳前の日記は焼いたが、以降の日記帳は残っている。
20年ほど前から、レシートには消費税が明記されている。まるっきりの上乗せである。消費税は、社会福祉やなどなどに使われるってのが建前だ。しかし、導入の目的は、所得税と法人税の軽減による、財源不足を補うためだ。実際、国の税収を消費税導入前と比べると、その構成がすっかり様変わりしていて、いかにも、所得税と法人税の代わりを消費税が埋めていることが歴然なのである。
医療費などに予算が必要なら、一般財源に必要な措置をほどこせばいいだけの話だ。
所得税の累進構造を緩和し(金持ちが喜ぶ)、法人税を緩和し(大企業が内部留保するしか能がない)て、そのために庶民の生活が一層、困窮の度を増す。将来不安が高まる。なにか根本から間違っている。金持ちたちよ、庶民大衆を踏みにじってまで、肥え太りたいのか。レシートの消費税を見るたび、金持ちや大きな法人を喜ばせるため、我々一般大衆がコケにされていると感じて憂鬱になる。
← アレホ・カルペンティエール(著)『バロック協奏曲』(鼓直(訳)《フィクションのエル・ドラード》 水声社)「銀鉱で成り上がったメキシコ生まれの主人と従者の出立から始まる物語はやがて、黒人の奏でるギター、街頭を轟かす謝肉祭の喧噪、ヴィヴァルディのオペラ、ルイ・アームストロングのトランペットへと、変幻するテンポのうちに秩序は多元的に錯綜していく〈幻想交響曲〉で幕を下ろす]とか。
アレホ・カルペンティエール作の『バロック協奏曲』を一昨日読了した。
本作の焦点は、ヴィヴァルディの失われたとおもわれていたオペラ「モンテズマ」(ヴィヴァルディはモテズマと書いていた。本書では、モデズーマと表記)再発見されたことが大きく関わっている。モンテズマは、アステカの王だったが、スペインのコルテス軍に殺された悲劇の王。ヴィヴァルディからしても、200年前の出来事。なにゆえ、カルペンティエールはこうした事件に材を取って歌劇を作ったのか。「ヴィヴァルディ オペラ「モンテズマ」の発見と再演 玲児の近況」によると、「ヴィヴァルディの時代は、この残虐な征服から既に200年以上たっていて、アステカやモンテズマの話などエキゾチズムやシノワズリーに混じった変わった話の一つになって」いたとか。生真面目には受け取ると、うっちゃられる。が、カルペンティエールにはそうはいかない。時代を遡り交錯させ、新大陸と旧大陸を対照させ、悲劇の神話性と同時にあの惨劇をリアルに顕在化させたいという思いが錯綜している。バロック協奏曲というが、狂騒曲の趣がある。詩的幻想の世界。幻想でなければ実現しえない偉大をこそ、カルペンティエールは表現しようとしたのかもしれない。本書を読む際には、題名から来る高雅なイメージとはまるで違うと覚悟が必要だろう。
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