皐月の小道
ジェイムズ・エルロイ作の『わが母なる暗黒』を読んでいる。
600頁近い。全編、犯罪絡み。しんどい。犯罪大国アメリカ。中でもロスとなると、そりゃまあ犯罪の坩堝。ある一章は、生涯デカを通した男の捜査歴。ろくでもない犯罪者のオンパレード、猟奇犯罪、些細なことが契機での夫婦間、親子間の殺人事件、平気で犯罪に手を染め子供に手伝わせ、あるいは娘を犯す奴等。薬物は蔓延。カネ絡みは言うまでもなし。そんな中で全うなデカを貫けるのは至難。大概、何処かで神経を病むし、家庭は崩壊。
← ジェイムズ・エルロイ作『わが母なる暗黒』(佐々田雅子 文藝春秋)「少年エルロイを狂わせた母の死。歪んだ前半生を越え、今、彼は事件の再捜査に挑む。母への愛と憎悪が荒れ狂う悲痛で凄絶な自伝」
しかも、法が改正されて、弁護士の役割は増大する。優秀(?)な弁護士が犯罪者に付いたら、刑事の立証は困難になり、ストレスが高まるばかり。法は、トランプ大統領のアメリカを見れば分かるように、権力とカネに傾く。アメリカの正義って、過去のものなのか、それとも最初から幻想(虚構)だったのか。
エルロイは、犯罪と薬物にどっぷりだった二十歳過ぎに、このままじゃあかんと覚醒した。その契機は書くこと、彼にとっては、自分の母がレイプされ殺害され、未解決に終わっていること(父への朧な信頼が崩れ去ったこと)をネタにすることに他ならなかった。
自らが(殺人などを除いては)犯罪常習者だったし、刑事らとの関りも深かったから、犯罪社会は馴染みの世界でもあったわけだ。
それにしても、構成が独創的というか、びっくりの組み立て。著者自ら元刑事を雇う形で、犯人捜しに奔走する。
← 雨で中断した作業を午後の五時頃から再開。アンズやクリ、キウイフルーツなどの蔓や葉っぱなどを剪定。
1週間ほど(雨やサボりで)庭仕事しないでいたら、庭、悲惨。雑草は勿論、庭木や果樹などの枝葉が伸び放題。ササダケ、杏、キウイ、栗、梅が繁茂。夾竹桃は言うまでもなし。部屋着ツッカケのまま見て回っていたが、慌てて高枝鋏みを持ち出し、長靴、手袋をして(ここだけは成長した。以前なら素手素足にサンダルのままだった)、早速、手当たり次第に剪定……カットカット。一時間ほどしたら雨が降りだし作業中止。嬉しいのは、数年ぶりにミカンが生りそうだってこと。カキは場所が離れていて確認できず。野菜類は不調。
← 苧環の小道が今や皐月の小道に。見掛けはいいが、連なる皐月の奥には、ツゲ、南天、梅、ツバキ、ミカン、山茶花などが生い茂っている。
部屋には、漱石文学地図が貼ってある。前代の岩波版漱石全集の付録。この全集も引っ越し代(帰郷のため)を稼ぐため、売却。悲しい。地図だけが形見。眺めつつ、東京在住時代を想う。
ドラマでも小説でもニュースでも、東京(界隈)の地名や公園、駅名、通り、学校名、路線名が出てくると、懐かしく感じる。東京在住30年。歩きで、バイクで、電車で、特に車で駆け巡ったからなー。
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