波は限りなく引いていく
← 苧環の季節が終わりに近づいている。すると、ツツジにひと月遅れて、サツキ(皐月)が割き始めている。苧環の道が、今は皐月の道に。
今日の作業内容は2つ。一つは、隣家の畑との境に植えた栗の木へのネット被せ。葉っぱや実が隣家に散らないように。栗の木はかなり育っていて、高いところまでは被せられなかった。二つ目は、落ち葉の激しく散る一角での防草シート張り。いままでは砂利を撒いていた。が、落ち葉が散ると、拾い集めるのが難儀。そこで、砂利を撤去(別の場所に散布)し、防草シートをしっかり張った。落ち葉が散っても、箒で掃ける。
← 庭先の夾竹桃が割き始めていることに、今夕、気が付いた。木なのか植物なのか。すごい生命力繁殖力で葉っぱがどんどん生えてくる。やや憎たらしい木だけど、花が咲く季節だけ、ちょっと好きになる。
← 車道沿いの生垣に育つ一株のバラ。小ぶりな花だけど、トゲもあるし、立派な薔薇。花はどこかカーネーションっぽい。
イアン・マキューアン作の『贖罪〈下〉』を読了した。実に素晴らしい作品だった。しかも、面白い。現代文学の一つの到達点を垣間見せてくれた。なのに、昨日今日の休みで一気に読了とはいかなかった。作品のせいじゃない。悲しいかな老眼が昔のような一気読みを許さないのだ。せいぜい20か30頁読むと休む。目を閉じて瞑目する……のではなく、目がいいよというサインを出すのを待っているだけ。
← 庭仕事を終えて、庭木を見て回ろうとしたら、庭の入り口付近にホタルブクロが割いているのに気付いた。薄暮に白く咲く可憐な花。小さな灯りが灯っているような。梅雨の雨が似合う。
まあ、そんな愚痴などどうでもいい。作品の概要は、上記の作品案内にある通り。作家は神の視点を持つという特権を持つ。神が死んだ時代にあって、作家こそは神に変わる万能の存在、神に代わる采配の揮い手となった……はずなのに、作品を創造する作家すら神足り得ない。真実を描こうとすればするほど、視点はずれていく、自分が大人になり新たな視点が現出する、他人の視点がありえることを思い知る。真実はある……はずなのだが、それは限りなく引いていく波を追いかけていくようでもあり、気が付けば私は波に呑まれ溺れ行く寸前であることを思い知る。
← イアン・マキューアン著『贖罪〈下〉』(小山 太一【訳】 新潮文庫)「夕闇に「彼女」を襲った男は誰だったのか。時は過ぎ、男はダンケルクへの泥沼の撤退戦を戦っている。見習い看護婦のブライオニーは作家への夢を紡いでいる。恋人たちは引き裂かれ、再会を夢見ている。彼らの運命は?真の犯人は?1999年、すべての謎は明らかになるが―。いつしか怒涛と化した物語は、圧巻の結末へと辿り着く」。
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