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2019/06/19

ヒスイはプレートテクトニクスの宝石

1560852899145145  ← 病院のベッドに滞留。読書三昧。読み疲れて、休憩室(スマホ使用可)にて夕景。

 昨日(15日)親戚に不幸が。誤嚥性肺炎での急死。奥さんもあまりに突然のことに驚き悲しまれていた。亡くなられる数日前、町内会の用事があって、犬を連れて散歩中のその方に会ったばかり。肺の病気で何度も入退院を繰り返していたが、つい先日、三か月の入院から退院されたばかりだった。それがまた突然の入院しかも、急死。一寸先は闇である。

 このたびの入院に際して、我輩がいかにドジかよ~く分かった。入院の前日から入院手続き書類一式をクリアーファイルに入れ机の上に置き、常用しているクスリも机の上に置き、着替えも持参するバッグに収め、スマホと本(ドストエフスキーか中上かで迷った)も用意し、腕時計は検査で外すので机の上に残し……準備は万全のはずだったし、所定の時間に間に合った……のに、入院書類はファイル毎机の上に置き去り。薬も袋のままやはり置き去り。最後の最後にバッグに詰めるのを忘れた! 入院書類は、問診の際に気付き、自宅へ取りに戻る始末。

 大腸の内視鏡検査。内視鏡の検査も辛いが、その前に大腸を綺麗にする準備作業がしんどい。一時間から一時間半をかけて、下剤交じりの液体を1リットル半飲み、さらに持参のお茶や水を0.5リットル飲む。徐々に便が出始めて、最終的に9回目で目標となる、透明度の高い水便に。これで、検査準備完了である。

 さて、施術室へ。

 肛門に麻酔薬(潤滑液?)を塗って、手際よくチューブを送管する。何とも気持ち悪い。お腹が張る感じ。便は出し尽くした(はず)だが、下剤の効果がまだ効いているようで、下痢気味。ガスが出そうだが、チューブで道をふさがれ、噴出できない。ガスが溜まる。お腹が張る。先生か看護師がガスを出す手助けだろう、お腹を押すものだから、余計お腹が苦しい。悲鳴を上げたくなる。脂汗さえ流れて、血圧も下がり気味に。大きなポリープは取ったが、小さなポリープが複数あるが、取り切れなかった。吾輩の体力などを考慮し、今回は断念することにしたとか。生研後、治療方針などを決めることに。

915yfxornl ← 『ドストエフスキイ後期短篇集』 ( 米川 正夫 (翻訳)  福武文庫)  「後年のドストエフスキイの逆説の世界観がちりばめられた後期傑作8短篇」

 長い待ち合い、ひたすら安静。読むしかない。持参した本書を読了。きわめて実験的な作品ばかり。ドストエフスキー自身が編集した雑誌に毎号自身の特集を組む。「作家の日記」はドストエフスキーが書きたいことを政治から文学まで。
なんたってドストエフスキーが編集し始めてから売り上げ部数がはねあがったし、既に人気作家だから、誰にも文句は言わせない。SFっぽいのから意識の流れ的手法を思わせる作品までやりたい放題。

Img_e3b52e028ed33450a6dbfb980c6e49c45870 ← 角田光代著『拳の先』(文春文庫)「ボクシングを通して、本気で生きるとは何かを問う青春エンタテインメント」だとか。吾輩にはもはや、読むのが眩しいを通り越して辛い。表紙画像だけを見ると、ボーイズラブの本かと見紛う。

 持参したドストエフスキーの本を読了。夜は長いので、売店で本書を購入。病院の売店なので、選択の余地が乏しい。林真理子か角田か。林真理子は、「女文士」を読んだことがある。さすがの筆力。が、敢えて角田を選んだ。こんな機会がないと、手を出さないだろうし。さて。
 中上健次の本と意図して並行して読んでるわけじゃないが、同じように600頁以上の長編。でもまるで違う世界。どろどろした鬱屈した、何かが解決するとか、明瞭な終りも出口もありそうにない深い森を彷徨う血の濃い中上文学。方や角田さんの本作は(まだ百頁ほどだが)どう見ても爽やかな青春もの。問題があってもいずれは解決するだろうなと、安心して読める。角田文学をこの一作で代表していいのかは分からないが(初めて読む角田作品)、中上作品とは違った意味で、最後まで読み通すのは苦しい気がする。

 入院といった事情があってテレビ・ラジオ難民。昨夜発生の地震は、夜半過ぎ、この読書メーターでの読み友の呟きで知った。しかも、隣県の新潟で発生。朝までテレビも観れないし、情報砂漠だなーと、もどかしく感じていたら、ふとスマホが手元にあるじゃないか! と気付く。便利だねー。震源地は山形県と新潟県との県境沖らしい。富山からはかなり遠く、富山の震度は1か2。津波は発生するも、小規模。原発は無事。停電が一部であるが、人的被害などは、夜半過ぎには不明。これだけのことが、あっという間に判明。まだ、テレビ、観てない。

9784425956210_1l_2 ← 『日本の国石「ひすい」 ーバラエティに富んだ鉱物の国 』(監修:日本鉱物科学会 編者:土山明 成山堂書店)「花崗岩、輝安鉱、自然金、水晶…、いずれも日本と関わりが深く「国石」の最終候補となった石たちです。この中からなぜ「ひすい」は国石として選ばれるに至ったのでしょうか?本書では、その美しさから鉱物学・岩石学としての知識、勾玉や宝飾品に象徴される古くからの利用、日本人との関わりまで、「ひすい」の魅力について存分に語ってい」るとか。

 入院当日の未明に読了。

 前にも書いたが、別に宝石ということではなく、鉱物一般に興味がある。というか、その前に岩石か。地上に露出する、人が利用したり魅了されたりする、それとも路傍の見向きもされない石ころ、その数々は、全て、多くは地下深くでの数万、数十万、数千万年、あるいはそれ以上の時の堆積であり凝縮。人が決して体験し得ない時空の果ての象徴であるのだ。

 中でもヒスイは、日本特有の低温高圧条件でのみできる石であって、「プレートテクトニクスの宝石」とも呼ばれているとか。

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