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2019/06/29

アリさん 雨粒はつらくない?

 NHK-BSでやっている「空港ピアノ・駅ピアノ」という番組が好き。 「空港・駅に置かれた1台のピアノ。世界中から訪れた人々が、思い思いに音を紡いでいく。どんな曲をどんな思いで弾いたのか。定点カメラで見つめる」というもの。いいなー。通りかかった駅などで置いてあるピアノを弾く。一曲引いたら、去っていく。

 食事時などに楽しみます。フラッと訪れて、サッと弾いて、さりげなく去っていく。できたらいいなー。我輩は、学生時代、友人に誘われてピアノ教室へ。1年ほど通って、バイエル(上巻)の最後までやってやめた。編曲してある「エリーゼのために」を弾けたところで、資金切れ(値上げ)。内緒ですが、初めて楽譜を読めるように。……今では遠い夢です。

018434_01_20190629210201 ← 森田 真生  文『アリになった数学者』( 脇阪 克二 絵 福音館書店)

 森田氏の「アリになった数学者」って本を過日読んだ。内容とは関係ないけど、アリが雨に祟られる場面からふと気になることが。アリなど小さな虫たちに、雨粒はどれくらいの衝撃なのか。人間には小雨でも、アリたちには雨粒はドラム缶ほどの水の塊がぶつかってくるほどの衝撃なのか。下手すると身体を包む殻にヒビが入ったりする? あるいは、微少な場面での力学は勝手な想定を越えるものなのか。雨水の流れに呑み込まれたら、人間の子供が濁流に流されるようなものか、それとも、アリの比重が軽く、大きな浮き輪が漂流するようなものなのか。

122002_xl_20190629205901 ← 深田久弥/著『日本百名山』(新潮文庫)「者は、長い年月をかけて、北は北海道の利尻岳から南は屋久島の宮ノ浦岳にいたるまで、それらすべての山頂を極めつくして、本書を綴った。日本人の生活に深く結ばれ、私たちの精神的風土の形成に大きな影響を与えてきた山々の個性を、短い文章のうちに、見事に際立たせた名著」

 本書を読んでいて思い出した。玄関に入ると、目の前、一番目立つ壁面に、長く剱岳を眺め上げる、まさに剱岳を象徴する眺めを描いた絵が飾られていた。子どもの頃からずっと。父がなくなる数年前、不意になくなった(帰省したらなくなっていた)。借金の方に取られた?
 書いていて思い出した。その絵、姉宅にあった。何かの機会に訪れたら飾られているのを発見。どういう理由で姉宅に?

511luogpepl_20190629210701  ← 中上 健次 (著) 『地の果て 至上の時』 (新潮文庫) 「腹違いの弟を殺害した罪により、大阪で服役していた竹原秋幸が、三年ぶりに故郷に帰ってきた。しかし、その紀州・熊野の地にも都市化の波が押し寄せ、彼が生まれ育った「路地」は実父・浜村竜造の暗躍で消滅していた―。父と子の対立と共生を軸に、血の宿命と土地の呪縛が織りなす物語を重層的な文体で描く、著者渾身の力作。『枯木灘』『鳳仙花』に続く紀州神話の最高到達点」 

 本文の中で、「無心する」という言葉を久しぶりに見かけた。「無心(になる)」ならなかなかいい意味合いなのに、「無心する」だと、やや下卑たみっともない表現。この用法は、室町時代には散見されるとか。古くて且つ今も切実な現実がある。子どもが親に無心するのはともかく、そうでない場面も大いにありえる。

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