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2019/06/21

イニシエーションの旅は続く

Photo_20190621200301 ← 池谷 裕二【著】『脳はなにげに不公平―パテカトルの万脳薬』(朝日新聞出版)「目の前の人のマネをすると好感度が上がる、上流階級の人のほうがモラルが低い、手を握るだけで記憶力がアップする──そんな脳の不思議と科学の最新知見を、人気の脳研究者が軽妙かつやさしくつづった」

 昨日、庭仕事をやり過ぎて反省。今日は終日安静にしているつもりだった。たまたま今日は、かかりつけ医である内科医院へ、30日に一度の診察の日。この度の内視鏡による大腸の検査及びポリープ切除手術の経緯や後日の生研の結果待ちなどを報告。その際、術後二週間は安静にって言われているが、どのように過ごすべきか相談。庭仕事についても。すると、時間をセーブしてなら構わないとか。

 なので、いつもなら今の時期、夕方の五時ころから始めるのを、30分ずらして開始。通常、日没まで作業し、日没サスペンデッドが吾輩の時間管理。なので、当然ながら作業時間は30分ほど短くなるわけである。草むしりに庭木の剪定と、汗を流し、シャワーを浴びた。
 やはり、仕事のあとのシャワーは気持ちいい。

Patecatl_borgia ← パテカトル(Patecatl) 1898「ボルギア絵文書(Codex Borgia)」より ロストック大学図書館(Universitätsbibliothek Rostock)蔵 Copyright: public domain (画像は、「パテカトル(Patecatl) - 神魔精妖名辞典」より)

 池谷 裕二著の『脳はなにげに不公平―パテカトルの万脳薬』を読み始めた。

 著者は薬学部教授。最近、テレビでゲストコメンテーターとしてよく見かける方のようだ。

 週刊朝日での2011年12月からの連載エッセイ。単行本を文庫化。最新の科学論文を筆者の解釈を加えつつ紹介するというスタイルをとっている。薬学に限らず医学(そもそも科学一般だが)ものは好物のジャンルのひとつ。各篇が短く病床の、あるいは車中の友に恰好かなと。そもそも買ったのは、病院の売店で。選択の余地が極めて限られていた。そうでなければ、まず買わないし読まない。

 今日は掛かり付けの内科医院の待ち合い室で早速役に立った。かなり単純思考。ま、一般向けにエッセンスを紹介することに徹しているのだから、とんがるのは野暮か。

 ちなみに、パテカトルとは、著者(はじめに)によれば、アステカ文明の神話に登場する神で、酒の神、ひいては「薬」をつかさどる神として古代メキシコで崇められていたとか。さすがに薬学部の方だけあるが、ネットで調べたが、より以上の詳細は分からなかった。

 それでも、「パテカトル(Patecatl) - 神魔精妖名辞典」によると、「飲酒と酩酊の神であり、マゲイ(リュウゼツラン)の発酵した液体をプルケに変えたのがパテカトルとされている。プルケは神々を祀るために好んで大量に消費され、魔術的な力があると考えられていた」とか。

41ri10ioqwl_20190621201701 ← 村上光彦 著『イニシエーションの旅 マルセル・ブリヨンの幻想小説』(未知谷 刊)「マルセル・ブリヨンの幻想小説のエッセンスを豊富な引用と共に詳細に紹介。人の意識の辺境に潜む幻想世界へ辿りつく」

 ブリヨンの幻想とは、本書における村上氏によると、「無意識の底から噴出してくる心像のあとを追いながら、心の目に映る光景をそのまま写してゆく」というもの。本書の中では当然ながら、幾度となくブリヨンの幻想やその表現手法の説明が試みられている。

 分かったようで分からない。そもそも吾輩にはそんな素質など皆無だからか。せいぜい、エッチな妄想程度じゃ、理解は無理ってことか。それでも、ブリヨンの小説からかなりの分量の抜粋がされているので、それを追っていくだけでも楽しい。

 同時に、村上氏の説明の鮮やかさにも感服する。過去、「幻想芸術」や「抽象芸術」を読んできたが、ブリヨンの本領である幻想小説の一端でも感じ取りたい。

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