身につまされる思いで「贖罪」を読む
文苑堂高岡駅前店。藤子不二雄ゆかりの店が今日で閉店だったとか。73年の歴史が幕を下ろした。これでまた大和高岡店の閉店に続く、高岡を代表する店が消える。知っていたら覗きに行ったのに。高岡市は、富山市より歴史と文化の厚みがある。何と言っても加賀前田藩の所領であり、前田利家の菩提寺もある。文化的にも人を呼ぶ遺産は数々あるのに、なぜ寂れる一方なのか。北陸新幹線の高岡新駅が従来の高岡駅とは違う場所にしたことも左右しているのか。実に惜しい。
富山市にしても、路面電車を中心にしたコンパクトな街づくりに努めていて、一部からは評価されているようだが、一歩、路面電車の路線を外れると、郊外へ行けばなおのこと、限界集落ばかり。郊外は錆びれるばかりなのだ。観光地に外人客が増えていても、町や村が活気づくはずもない。
← 堀田 善衞 (著) 『路上の人』(徳間書店)「時は一三世紀前半。舞台はイベリア半島とピレネー山脈、フランスを横切り、イタリアを南下してローマに及ぶ南欧の広大な地域。語り手は「路上のヨナ」と称ばれる浮浪人、ほとんど文字を読まず書かずの下層の人物だが、聡明で、ラテン語を含め多数の言語を話す。ある時は英国の外交使節やドイツの学僧や神聖ローマ帝国皇帝が法王庁に送った騎士(スパイ)等の従者となり、ある時は旅芸人の一団に身を投じ、必要ならば乞食をして東奔西走する」
古本。本日(月曜日)より車中で読む。今は死語の初版本。富山の芥川賞作家。「広場の孤独」や「ゴヤ」など。何れも読んだし蔵書のはずたが、見つからない。これらも古本で入手するかな。
やばい。勝手にエッセイと思い込んでいた。だから、車中で読むのにいいかなって。読み始めて気づいたのだが、バルセロナ滞在中に書いた小説らしい。舞台は13世紀前半のイベリア半島からピレネー山脈の辺り。テーマは、察せられるように宗教(← 大雑把)。ウンベルト・エーコの「薔薇の名前」や、我がジョージ・エリオットの「ロモラ」などが連想される。
← イアン ・マキューアン (著)『贖罪〈上〉』 (小山 太一 (翻訳) 新潮文庫) 「13歳の夏、作家を夢見るブライオニーは偽りの告発をした。姉セシーリアの恋人ロビーの破廉恥な罪を。それがどれほど禍根を残すかなど、考えもせずに――引き裂かれた恋人たちの運命。ロビーが味わう想像を絶する苦難」
イアン ・マキューアン 作の『贖罪〈上〉』 を読了した。最初の30頁ほどは、登場人物の把握に手間取ったりしたが、分かってくると、あとはどんどん読めてしまう。上巻を読んで、感想など書く暇もない。すぐに下巻へ。
半ば、自分の今の状況に重ね合わせ、観につまされる気持ちで読んでいる。孤立を深める一方の自分。何が悪いのか、さっぱり分からない。誰かが変な噂を流しているのだろう。否定したくても、本人は爪弾き。姉でさえ、噂を真に受けている。本人である吾輩に確かめることなく。近隣でも、会社でも孤立ている。何が悪いのか、さっぱり分からない。 <p>
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