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2019/04/06

語りえること語りえないこと

Hidden_l  ← シャンカール・ヴェダンタム 著『隠れた脳 好み、道徳、市場、集団を操る無意識の科学』(渡会圭子訳 インターシフト) 「無意識の小さな思い込みが、暮らしや社会に与える大きな影響について明かした」とか。

 ちょっと息抜きに、あまり馴染みじゃない分野の本を。えっ、脳科学の本は結構読んできたって? 本書は、どちらかというと社会学の分野かな。人が思わず知らずにいろんなことに影響されて(バイアスを受けて)行動してしまう、そのメカニズムに迫る。ま、人は(自分もだが)自分の意思で自由に動いているつもりでも、案外とそうじゃないよって話。

及したのである。

 今夕、銭湯へ。薄暮の中、夕陽に鮮やかに浮かび上がる立山連峰の雄姿を眺めつつ、自転車で。往きも良かったけど、帰路も夕闇の風が火照った体に心地いい。帰宅した頃には、髪もほどよく乾いて、ナチュラルウェーブに。

1554516515062987  ← アンズの木。開花。今年も実をたっぷりね。庭のカエデも芽吹き、徐々に緑色に。紅葉もいいけど、新緑もいい。表の庭から裏の庭へ続く小道が苧環の小道に変わりつつある。キウイフルーツや梅の木も芽吹き始めている。

 またドジ。スーパーで買い物し、帰宅したら、ふと、表の車道沿いのドブが気になった。買い物袋を玄関に置いて、ドブ浚い。一時間半ほど経って気が付いた。今日はアイスクリームを買ってきたんだった。時すでに遅し。今更、アイスクリームを冷凍庫に仕舞っても間に合わない。開き直って、作業を継続。すっきりしたところで、買い物を整理。アイスクリームは、芽を背けて冷凍庫へ。せっかち。買い物類を片付けてから作業すればいいものを、つい目先の雑草などが気にかかって、手を出してしまう。

1554538029122297 天気がいい。快晴。桜、昨日、満開。桜見物を兼ねて自転車で投票所へ。期日前投票。特定の支持政党なし。選挙の都度、投票先を決める。県議会議員選挙で馴染みがない。たまたま街頭で演説を聞いた人物がいる。傾聴に値した。まず、投票しない政党だったけど。

1554538336592951 水鳥の遊泳する川。みんな、桜見物というと、決まりきったスポットに。そんな場所は仕事の際に眺められる。だから今日は敢えて人の来ない、でも見応えのある場所へ。微風が心地いい。

160515_1 ← 『ウィトゲンシュタイン・セレクション』(黒田亘 訳 黒田亘 編 平凡社ライブラリー) 「論理哲学論考」 から最晩年の 「確実性の問題」 まで、ウィトゲンシュタインの主要著作を編者独自の視点で抜粋・編集したアンソロジー。難解なテキスト群への格好の入り口。解説=野家啓一

ウィトゲンシュタイン・セレクション』を木曜日の夜、読了した。彼の本を読むのは久しぶり。高校三年の頃から関心を寄せてきた。前期と後期で哲学の姿勢や課題が変貌したとされるのが、黒田氏の研究などもあって、一貫して追求しているテーマがあるとされてきた。それは語りえることと語りえないことの峻別。およそ哲学者が語ることは明晰でなければいけないし、何を語っているか分かっていなければいけない。痛みは語り得るか。私の痛みなる考えは示せるか。存在しないのか。ウィトゲンシュタイは空疎な哲学談義を徹底して指弾した。そもそも我々は何を語りえるのか。道具としての言語。あるいは、言語は道具なのか。言語の自立性とは。まさに哲学ならではの課題を最後まで追及したのである。

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