サックス最後の著「意識の川をゆく」を読む
↑ オリヴァー・サックス著『意識の川をゆく──脳神経科医が探る「心」の起源』 (大田 直子 訳 早川書房) 「脳科学の最新成果も貪欲にとりいれた、脳神経科医サックス最後の医学エッセイ集。養老孟司氏解説」。
いま読んでいるオリヴァー・サックスの「意識の川をゆく」にて参照されている。偶然にも(偶然じゃないかも)、いまダマシオの「進化の意外な順序」を読んでいるところで、内容的に一部重なるところがある。進化上後発の中枢神経系(動物を動物たらしめている神経網(叢))と、ずっと前から進化していた自律神経系との関係と異同について。中枢神経系は、比較的分かりやすい(自覚的だ)が、自律神経系は、なんとなく変とか気分がいいとか、曖昧だけど、自分がどういう状態かの基本的感覚、暗黙の意識の感覚。
ホメオスタシスが不調になると、不快になったり外見も元気そうでなくなる。
ルオー展を観るため、バイクを駆って福光美術館へ。が、到着して感じた異様な静けさ。車が1台もない! もしや……。案の定だ、休館日!
せっかく遠路来たのに、ただ引き返すのでは口惜しいので、ヌードの女性像をパチリ。
まさかのためにってわけじゃないが、福光美術館から遠くない真言宗の安居寺へ。由緒ある寺らしいが、名前を仄聞するばかり。拝観する前に、昼食をとりたい。麓へ降りて食堂を探した。一軒だけあった。入ったら、座敷席ばかり。敷居が高い。空腹のまま、寺へ。
山門の手前に、欅の巨木が。枯れていて、足元に折れ落ちた枝が横たわっていた。
山門。両脇には、阿吽像が。どうして、阿吽像が安置されてるのか。阿吽像の前には、それぞれ巨大な草鞋や巨大な注連縄が奉納されていた。由緒ある寺らしいが、参拝者は一人も居なかった。駐車場は広い。折々の行事の日には、バスなどで、大挙して信者らが押し寄せるのだろう。寺の境内を散策してみた。雑草が生え放題。巨木に育った杉などからの落ち葉が拾われることもなく散らばったまま。それなりに、メンテナンスの係員もいるようだが。読経の声もなく、静まり返った境内。よく言えば、観光地化していないということか。
↑ 森山 徹 (著)『ダンゴムシに心はあるのか』 (PHPサイエンス・ワールド新書)
いま読んでいるオリバー・サックスの「意識の川をゆく」の解説にて、訳者の大田直子氏が言及していた。サックスの本の第三章は「知覚力ー植物とミミズの精神生活」。この章は意識の起源に肉薄しようとするサックスの試み。
植物もミミズも、精神生活というほどのものを持つはずがない、それが大方の常識だろうが、「意識」を真面目に考えると、そうも言い切れない。本書「ダンゴムシ……」は、大田氏によると、意識の起源に関しては、生命の始まりから、すでにその萌芽があるのではないか、という哲学的立場に立つらしい。これは、奇しくも我輩がいま読んでいる、ダマシオの「進化の意外な順序」で示される考え方とも通低する。
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