椿に馬酔木に

森村さんのある小説(の登場人物)には、ある因縁がある。この作品の題材にも、これまた因縁がある。車中での待機中に読む。
富山の売薬さんが登場する……のだが、なんと、売薬さん崩れの戦闘的暴力団になっていて、主人公らを追う悪役という設定。ショック。売薬さんの中に、そんな連中がいたんだろうか。あくまで、小説の中の設定なの? 何も実態がないと、そんな富山の(売薬)たちを敵に回すような設定は考えないよね。
たまに銭湯へ行くのは、3年前に設置したボイラーが不調だからだが(お湯がチョロチョロしか出てこない)、広々した風呂が楽しみだからでもある。
我輩が風呂に入るのは、洗髪のため、そして何より垢を流すため。若い頃程じゃないが、頭が痒くてならず、兎に角、髪(頭皮)を洗いたい。そうでなかったら、風呂には入らないかも知れない。あまりに頭が痒いと、台所の流し台の前に立ち、上半身裸になり、瞬間湯沸し器のお湯を遮二無二頭に流し、ゴシゴシする。
シャンプーなんて要らない。せいぜい石鹸を使うくらいである。
しかし、垢ばかりは、どうにもならない。チョロチョロしか流れないシャワーなど、論外である。
ここはやはり、銭湯の出番だ。専用の垢擦りで、我が柔肌を傷付けぬよう、新雪のスロープを滑るよう、ササッと優しく、だが時には激しく擦る。垢が小気味いいほどに、ポロポロと丸まって落ちる。
しばらくすると、タイル床は、垢だらけとなる。さすがに恥ずかしいので、人に見られぬうちに、お湯でザッ流して、また擦る。顔の額から耳朶の裏側、首筋、肩、手先、玉袋、足の裏に至るまで、隅々。ふと、耳なし芳一など浮かんできたりするが、他意はない。困るのは、背中だ。

朝刊を取ろうと、玄関の戸を開けたら、いきなり真っ白な小鳥の群れが!庭の向こうの隣家の庭の木の枝に止まっている! が、じっとしていて、まるで動かない。あ、そうか、白木蓮の花々が昨日の春二番の暖かな風に、一気に芽吹いたのだ。昨日の朝までは、葉っぱの落ち尽くした、枯れ木のようだったのが、私は元気、私は白木蓮よと、歌い出したよう。


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