『タタール人の砂漠』から『死者の奢り・飼育』へ
→ 昨日は、むきになってしまい、草むしりや落ち葉拾いをやり過ぎた。いざ、読書しようとしたら、足腰の疲れ、それと、部屋着だったことでの負荷もあったのだろう、居眠りウトウトがいつもよりひどく、ほとんど読めなかった。天気がいいからって、調子にのるもんじゃない。画像は、富山市石倉にある延命地蔵尊。湧き水を汲みに、日中は人影が絶えない。夜は、ひっそり。
怒り! 学校のアンケートに、少女が、父親に暴力を振るわれている、と書いた。そのアンケートを父親が学校に要求。学校はさすがに、個人情報だとして拒否。ところが、父親が教育委員会に要求したら、コピーを渡してしまった。父親の怒りを鎮めるためだって。ひどい。アンケート用紙を見たことが、引き金になり、死に至る暴力になったのではないか。
今日は、ちらほら雪のはずが、晴れ! バイクでツーリングしてもいいくらい。でも、丑三つ時に帰宅した我輩が動く元気が出たのは午後遅く。
運動不足解消になるか分からないが、草むしりやら落ち葉拾い。が、隣家の山茶花の花が我が家との間の通路……砂利道に、これでもかと散らばっている。
隣家の年配夫婦は、まず落ち葉拾いはしない。余儀なく我輩がやる。砂利道に無数の花びら。延々二時間。無償の行為というより、ひたすら不毛。足腰のためだと、黙々と。そんなことしてること、隣家の方たち、気付くやら。
← ブッツァーティ 著『タタール人の砂漠』(脇 功 訳 岩波文庫)
ブッツァーティ作の『タタール人の砂漠』を一昨日(水曜日)読了。
テーマというか内容は、出版社による案内に尽きる:「辺境の砦でいつ来襲するともわからない敵を待ちながら,緊張と不安の中で青春を浪費する将校ジョヴァンニ・ドローゴ―」。
書いてある内容は、以上で尽きるのである。
軍人であり、戦闘状況を渇望しつつも、辺境の地でいつ来るともしれぬ敵を警戒し、同時にあまりに長い生煮え状況に、敵の姿を待望する。
ただひたすらに待ち続ける中、同僚や後輩は、出世し、あるいは町に戻っていく。気が付けば青春などどこの話というような齢になってしまっている。
切望していた(?)敵がいよいよ! が、何たる皮肉か、彼は病に倒れ、砦には邪魔な存在として、遠ざけられてしまう。
一体、自分は何を待ち続けていたのか、その挙句、一番肝心な時に自分は役立たずな体になり、見守るしかない魂の躯に。
カフカの城のように、己の渇望する何かへは永遠にたどり着けないのか。「出発は遂に訪れない」。
文章が素晴らしい。あくまでも淡々と描いていく。切迫した状況も(当人以外には)到来するのだが、そうした事態も他人事に終わってしまう。自分には何も起きない。
絶望? 出口なし? だが、作者は残酷なほどに事実をありのままに描いていくだけ。ニヒルなのか。作者に熱い心はないのか、なんて問いすら生臭すぎるのである。
傑作。こんな作家がいたことを、たまたま書店の棚で本書を手に取るまで知らなかったことに愕然。他も読みたい。
→ 今日は富山は雨。午後からは雪の予報。朝から雪でないだけ、ありがたいか。当然ながら、立山連峰は視界の彼方。たまには、立山連峰さん、視線に晒されず、のんびりね。
今年に入って初めて、居間の掃除をした。生活の場、寝室でもある、暖房の効いている唯一の部屋。一月中に掃除するはずだったのに、気が付けば2月。雑巾でササッと。綿埃がすごい。
居間だけ暖房。夜になると、一歩、居間を出ると、吐く息が白い。部屋を出るのに覚悟が要る。気合を入れないと、寒気が襲う。あ、思い出した。仏間だけは、月命日の法要があるので掃除したんだった。庭仕事はマメだけど、家の中の掃除はサボる。外観重視ってこと?
掃除で思い出した。昨夜半、仕事が終わったあと、仕事で使う車を洗車。それはいつものことだが、昨夜は、ホイールキャップも洗った。かなり、中古な車で、ボディーはさすがに、前任者らも洗っていたようだが、ホイールキャップは汚れっぱなし。我輩は、ブラシで擦り洗いを欠かさない。でも、堆積した汚れにはブラシは通用しない。自宅からナイロンタワシを持参。せっせと磨いた。頑固な汚れでスッカリ落ちたとは云えないけど、あと2、3回、磨けば、まあまあ程度にはなるかな。足元が綺麗だと気分もいいよね。……なのに、自宅の掃除は嫌い!
← 大江健三郎/著『死者の奢り・飼育』(新潮文庫) 「“閉ざされた壁のなかに生きている状態”を論理的な骨格と動的なうねりをもつ文体で描いた、芥川賞受賞当時の輝ける作品集」。
今頃になって読む。中上健二共々、一昨年から再認識し読み始めている。まるでタイプの違うような二人だけど、何故か同時期に惹かれるようになった。
本書は短編集。冒頭の「死者の奢り」は、死体の丸洗いのバイトをする主人公。我輩、学生時代、友人たちとの雑談の中で、そんなバイトがあるって聞いたような。ただの話題だったのか、その気になれば紹介するってことだったか、覚えていない。酒屋の手伝いから荷役、交通量調査、家庭教師、いろいろやったけど、長くやったのは、新聞配達。通算二年以上。友人宅での徹夜の雑談のあと、友人たちは寝入る中、ひとり抜け出して新聞配達へ。ところで、「奢り」であって、「驕り」でも「傲り」でもない。
死体の丸洗いバイト、興味はあったなー。あの医学部の敷地の奥の何処かに、秘密めいた、ひっそりと建つ施設。重たいドアを開けると、中は薄暗くて……。
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