クラシック本を読む楽しみ再び
← 片山 杜秀 著『クラシックの核心 バッハからグールドまで』(河出書房新社)
片山杜秀著の『クラシックの核心 バッハからグールドまで』を読了した。
「クラシックでも、近現代の辺縁を偏愛してきたクラシック批評の異彩が、ついにモーツァルト、ショパン、ワーグナー、マーラー、フルトヴェングラー、カラヤン、クライバーらの魅力を語る」といった本。
車での営業仕事。車中での楽しみは、待機中の読書だが、運転中となると、音楽。といっても、ロートルの吾輩が好むような、昭和歌謡は、DJなどラジオパーソナリティー陣が若くなっていて、滅多にかからない。
もう、吾輩などはラジオなどで流れる音楽からは置いてきぼりなのである。
辛うじて、ジャズやクラシック番組だと、吾輩でも楽しめる。
たとえば、「クラシックの迷宮 - NHK」(FM 毎週日曜 午後9時)と、「クラシックカフェ - NHK」(FM 毎週月曜~木曜 午後2時)は楽しみな番組。
後者は、ほぼ聴くだけの番組で、これはこれで楽しい。これ、あとでCDjを入手して聴き直したいと思うこともしばしば。
さて、後者は、「音楽評論家の片山杜秀が、驚異的な博覧強記を武器に、古今東西の名曲を独創的な視点で自在に論じる音楽番組。初心者からマニアまで、全てのクラシック音楽ファンの欲求を満足させる、濃密な60分です」だって。
そう、超初心者の吾輩も、片山氏の話に聞き入ってしまう。
それにしても、専門は政治思想史とは驚きだった。
クラシックを曲がりなりにも聞き始めたのは、中学の終わりから高校生の頃。
といっても、友人宅をお邪魔すると、大概、クラシックのLPレコードを聴かせてくれる。いや、聴かされていた。
テレビの歌謡曲オンリーの自分にはカルチャーショック以前だった。
プレーヤーの上のLPレコードに針を下す、その仕草が儀式めいていて、つい厳粛な気分になってしまう。身構えてしまっていた。
そんな音楽音痴の吾輩だが(クラシックは、中学生時代の音楽の授業で大嫌いになってしまった。その事情は機会があったら書いてみる)、それでも、何年も聞かされるうちに耳馴染みになり、学生時代には、自分でLPレコードを買ったり、FMを聞いたり、FMの雑誌(レコパル)を買ったりするようになるのだから、やはり、持つべきは友というべきか(突破口は、大学一年の時、聴いたメンデルゾーンのヴァイオリン協奏曲だった)。
爾来、主にラジオを通じてだが、それなりに聴いてはきたが、根っからの音楽音痴なのか、指揮者などで曲が違ってしまう……なんて、そんな違いの分かる大人にはなれなかった。今も!
二十歳代の頃は、ラジオでは、蘆原英了の解説でクラシックを聴いていたっけ。
それでも、美は細部に在りじゃないけど、違いが分からないなりに、「クラシックの迷宮 」や、「クラシックカフェ 」などはチャンスがあれば聴くし、自家用車には、ジャズやポップス、クラシックのCDが数十枚は常備している。
クラシック関連の音楽本は読むのが好き(ジャズも含め、他のジャンルの音楽本はまず読まない)。通算したら数十冊はあるだろう。
さて、「クラシックの迷宮 」での片山氏の話を、ひたすらへえーと聞いているだけだったのが、この博覧強記で話の上手いこの人物は一体、誰なのかと、遅まきながら気になってきたのである。
クラシック通なら、知らぬ人はいないのだろうが、吾輩には未知の人物。ネットで調べたら、いろんな著書も出されている。最初の一冊として、どんな本を選べばいいのか、見当がつかない。
題名が「クラシックの核心」だなんて、いいのか、こんなど真ん中の題名でいいのかと思いつつ、早速入手。
読みだしたら、止まらない。
← 片山杜秀 著『音楽放浪記 日本之巻』 (ちくま文庫) 「山田耕筰、橋本國彦、伊福部昭、武満徹、坂本龍一……。伝統と西洋近代の狭間で、日本の音楽家は何を考えたのか? 稀代の評論家による傑作音楽評論」とか。
一気に読むのが勿体なくて、一日に一章に制限しようと思ったのだが、三日目には残りの3章を一気に読んでしまった。
クラシックにも疎い小生が本書を論評するなど僭越極まる。
同氏が幼稚園時代から(当初はヴァイオリン教室に嫌々通わされ…だったらしいが)クラシックに親しんできた。
ただ、本当に出会ったのは、テレビ番組の主題歌などを通じて次第にだったなんて、話は、共感以上に、ええ? あのウルトラマンや忍者ハットリくんの音楽にクラシックなんて、と、ひたすら驚くばかり。 吾輩は何を聴いていたのやら。
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