ジェネシス 2
ボイラーの不調。修理するにも費用が掛かりそうだし、余儀なく今日は銭湯へ。広々とした風呂は、やはり、いいね!
クジラを捕獲し食べるのは、なぜ残酷? では、牛や馬や豚や鹿や猪や鳥や魚は殺して食べても構わないのはなぜ? クジラは屠殺の現場が人目に付きやすく、牛や鳥や魚は人の見えないところで殺すから?
クジラでなくても、動物を殺すのは、殺して食べるのは(定義や状況によるかもしれないけど)残酷だと思う。でも、人(に限らず動物は、あるいは生き物)は、動物(や植物)を殺して食べて生きてきた。人は地上のどの動物よりも残酷な動物なのは明らか。苦痛のない屠殺だったらいいのか。言い訳にしか思えない。しかも、殺して煮て焼いて出汁を取って。
欧米人は、クジラを殺し過ぎたという原罪意識があるから、一層、ヒステリックに捕鯨を指弾するのか。
環境保護運動に、クジラは一番シンボリックに仕立てやすいのか。
日本の軽率としか思えない脱退は、総理の意向でいきなり政治問題化させた照射問題なども含め、現政権による、ナショナリズム意識高揚の一貫ではないのか。政権末期の焦り(あるいは企み)を感じる。
ジェネシス 2
(序)
ソクラテスのような意味合いではなく、歪な形の鼻を持つ小生のようなものには、ゴーゴリもそうだが、芥川のこの「鼻」が授業で扱われている間は針の筵(むしろ)状態だった。喩えが間違っているかもしれないが、焼けたトタン屋根の上のネコ状態だった。
それこそ、自分のことを教室中で、学校中で、やがては世界であげつらっているような気分だったのだ。
あげつらい嘲笑している、それどころか声を出して朗読などさせられようものなら、哄笑されているような…、じゃない、哄笑されていると感じるしかなかった。
(鼻呼吸ができないこともあって、授業が始まって十分もすると、酸欠状態になる。口呼吸しかできないから、口を大きく開けて息をしたいけど、外聞もあるし、授業の邪魔だし、口を薄く開けて息を細く細くして吸ったり吐いたりする。小生の場合、十歳で鼻呼吸ができなくなってからは、授業は酸欠との戦いだった。増して「鼻」に焦点が当たっているとなると!)
(「嗅覚の文学」より)
ジェネシス 2
茶の間。家族でテレビを見ている。何かのドラマ。ラブシーン。
俺は決まって、まるで照れているかのように、顔を覆い隠す。
みんなは恥ずかしがってるんだと、微笑ましそうにしている。
違うのだ。自分には、一生、金輪際、女性と唇を合わせることはないだろう、という確信(人はそれを思いこみとみなすかもしれないが)がなせる業なのだ。
口唇口蓋裂の自分。醜い無様な治療の痕がまざまざと残っている鼻、鼻の下、唇。そして穴の開いたままの口蓋。
保育所時代には俺は人生を諦めていた。人並みの人生などありえないと思い込んでいた。
誰が、そう、思い込ませたのだろう。
親たち? 姉たち? 近所の人たち? 近所の遊び友達たち? 保育所での体験?
もう、記憶の彼方である。
それとも、単に鏡を見ての結果なのか。
こんな顔の俺と誰が真正面から向き合うだろう。親たちだって、俺と話をするときは、決して視線を合わさない。どこか他所を眺めながら、耳だけ懸命にこちらに向ける。
発音が極端に悪いからだ。親姉妹だって何を言っているか分からないことがしばしばなのだ。
でも、俺が喋っていることを理解してもらえないとなると、機嫌の悪い赤ん坊のように泣き喚く。
そんな俺を持て余してきた。だからせめて、喋っていることは聞き逃すまいと真剣。
だから耳を聳てる。それがオレには、目線を避けていると思えてならない。
話をするなら、他のみんなと同じように、こっちを見てくれよ!
そう、叫びたいのを俺は俺で必死で堪えている。
話が逸れてしまった。
そんな俺と誰がいつか唇を合わせるものか。そもそも、まともに向き合ってくれる人だって現れることはないだろう。
ラブシーンを横目にしながら……そう、俺は決して見逃してはいない……諦めきって泣いている自分の顔を、表情を隠していたのだ。
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