山茶花の花は散るよ 延々と
← エムラン・メイヤー【著】『腸と脳 体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか』(高橋 洋【訳】 紀伊國屋書店) 「腸と腸内の微生物と脳が交わす緊密な情報のやりとりが心身に及ぼす影響や、腸内環境の異変と疾病の関係などについての最新知見をわかりやすく解説する」
昨年末から読んできていた、エムラン・メイヤー著の『腸と脳 体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか』を読了した。
腸を問わず、人体の内外に共生(であってほしい)する細菌類への関心は、小生ならずとも、世界的に深まっている。
というか、その影響を受け、関連の諸著がどんどん翻訳されていて、小生は、その大半を読んできた。
本書の解説によると、どうやらアメリカをはじめとした各国で多額の予算がマイクロバイオーム研究に投じられ、その成果が出つつあることが背景にあるようだ。
今、腸(体に関わる細菌)のみならず、AIや宇宙観も含め、大変貌を遂げつつあることは、本ブログでもメモってきた。「腸や腸内微生物は、身体はもちろん心の影響にさえ、非常に大きな影響を及ぼすことがわかってきた」のだ。
例えば、「人間自身が持つ遺伝子の数は、およそ二万二〇〇〇だが、この数は人体の内部や表面に存在する遺伝子の総数の一パーセント相当にすぎず、残りの九九パーセントはマイクロバイオータが保有する」。
頭の天辺から爪先まで菌類は生息している。その全体を扱った本、体の内外のみならず、土にまで目配りした視野の広い本など、いろいろ焦点は違う。
本書の特徴は、訳者によれば、「腸と腸内のマイクロバイオータと、脳・心・情動の、関係に大きな比重が置かれている点にある」。それゆえ、本書では、過敏性腸症候群、うつ病、不安障害、自閉症、さらにはパーキンソン病をはじめとする神経変性疾患などの脳や心の病気に、腸やマイクロバイオータの異常が関連しうることが詳述されている。
同時に、研究成果は出始めつつあるのであって、不明の点は多々あることは留意すべきだろう。
食べ物や飲み物で、腸などにいいとされるいろんな商品が喧伝されているが、その効果は疑問だろう。まだ分かっていないことが多すぎるのだ。
たとえば、本書の最後の部分で、マイクロバイオームの改善による健康増進の指針が示されているのだが、その中に、「断食をして腸内微生物を飢えさせる」という一項がある。
断食の効果はあるようだが、そのメカニズムは分かっていない……って、正直だけど、無責任すぎやしないか。
分かっていないことは多い。でも、得られた知見だけでも、生活の中に取り込んでいくことは有益なのだろう(偏食家の自分が言うのもおこがましいが)。
→ 考えるまでもないことだが、落ち葉は樹木たち、その前に土壌(に生きる微生物たち)の栄養源。なのに、綺麗さっぱりまっさらにしないと気がすまなかった。大きな勘違いだ。冬の食べ物を奪っていたわけだ。しかも、落ち葉は栄養源になるばかりじゃなく、冷え込む大地の布団にもなる。根雪になれば、積もった雪が布団になる。その下の、謂わば毛布と云うべきか。
昨年(まで)の読書傾向を観てみると、我ながらジャンルや書き手が限られていると感じる。広げたいし、日本の現代作家の本(小説)も読みたい。
でも、なかなか。読むのが(理解するのが)遅いってのもあるし、再読したいってこともある。それと、日本内外の古典をもっと読まないと、という思いが強い。
大晦日の年越しに岩波文庫の目録を眺めていて、愕然とした。こんなにある!全然、読んでない!
← 落ち葉拾い……掃除。以前は、しゃかりきになって拾いまくっていた。人の出入りする場所ならともかく、樹木の根本まで。サザンカの花の散ること、散ること。路上に散ると、その上を人が車が踏みつけていき、小汚い惨状を呈する。せっせと、綺麗にしたのだが、その数時間後には、何事もなかったかのように、花びらが散らばっている。春まで、こんな日々が続く……。
雨ざらしの墓場を見回すと、我が家の墓ほどに古いままなのは、残すところ3件ほどか。
補修じゃなく、立て替え(改装?)すれば、という声もありそうだが、迷っている。というのは、我輩には子供がない。つまり、墓を守ってくれる人がいない。
だったら、自分が生きている間は、自分が守ればいい。あとは、墓仕舞いか、お寺の共同墓地(団地)に入れてもらうか。
→ 冬にしては(富山にしては)珍しい晴天、しかも無風。部屋着のままで落ち葉拾い……掃除することができた。
余談。昨夕、入浴時に湯あたりした。のぼせたというのか。ヤバイと感じ、慌てて浴槽をでたものの、立ち上がれず。しかし、浴室に踞っていても、らちが明かない。這うようにして、茶の間へ。椅子に腰掛け机に突っ伏して、吐き気や熱っぽさなどの症状の緩和を待った。詳しくはブログに書いたけど、熱中症だったのか? それとも、低血糖症状だったとか?
(適切な使い方ではないかもしれないけど)小春日和のような気持ちのいい陽気。撮影し損ねたが、立山連峰の雄姿が鮮やかに快晴の空に浮かび立つ。富山市の町中から眺められる…ありがたいことだ。撮影を躊躇わせるのは、電信柱や電線、立看板の類い。有用だけど、邪魔。ツーリング日和だけど、自転車を駆って買い物へ。ついでに、気になっていた我が家の墓石を確かめに。過日の強風のため……いや、そもそも古くて石が苔生し脆くなっている。そう、一部、破損している。コンクリートボンドを持参し補修した。
← 藤井一至/著『土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて』(光文社新書) 「世界の土はたった12種類。しかし、毎日の食卓を支え、地球の未来を支えてくれる本当に「肥沃な土」はどこにある? そもそも土とは一体何なのか?泥にまみれて地球を巡った研究者の汗と涙がにじむ、一綴りの宝の地図」。
藤井一至著の『土 地球最後のナゾ 100億人を養う土壌を求めて』を読み始めた。車中での待機中に読む。
大地を離れては、人どころか、どんな生き物の生存はありえない。大地を踏みしめるのはいいけど、踏みつけにしてはいけない。
我々に馴染みの土は(今のところ)地球上にしか存在しない。何故なら気温の変化や日光、風雨などによる侵食・風化もだが、バクテリアなどによる腐敗も土の成り立ちに不可欠。
土は、多様な生物たちの生きる証でもある。
日本の土壌が酸性度が高いのは、火山国ってことより(酸性雨のせいでもなく)、土壌でのバクテリアなどの活動が活発だから。葉っぱなどを食べると、二酸化炭素が排出される。それが土壌を酸性にする主因。
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