谷川 健一「白鳥伝説」再び…
← 谷川 健一 (著) 『白鳥伝説 』(集英社 文庫本あり)
昨日は、親戚宅へ年賀に赴いた帰り、親戚の方の案内で、白鳥たちの飛来するスポットを訪ねてきた:
「白鳥の飛来地へ」
「ハクチョウ - Wikipedia」によると、「ハクチョウとは、カモ科の7種の水鳥の総称。シベリアやオホーツク海沿岸で繁殖し、冬季は温暖な日本などへの渡りをおこない越冬する大型の渡り鳥である」という。
全国的な知名度はどうか分からないが、富山も白鳥の飛来地が各所にある:
「白鳥の飛来地(富山)」
知り合いに白鳥の姿を撮影することに情熱を燃やしておられる方がいたりして、富山も白鳥の越冬地であり、しばしば県内各所で越冬する姿が、空を舞う姿が目撃されていることは知っていた。
それどころか、素晴らしい写真も何度となく見せてもらったし、その方の写真が入選したり、新聞紙面を飾ってきたのも知っていた。 が、悲しいかな、自分の肉眼では見たことがない。あるいは、観たことはあるのだが、アオサギも富山ではしばしば見受けられるので、自信を以て見たとは言えないできたのである。
ようやく見たいという思いが叶ったわけである。
ただし、「現生の空を飛ぶ鳥の中では最大級の重量を有している」というのだが、昨日も、飛ぶ姿は目撃できなかった。日暮れ頃には、塒の田尻池へ群れをなして飛んでいく姿を見ることが叶うかもしれない。
白鳥というと、あの純白の雄姿の白鳥なのは言うまでもないとして、自分には、古代史好きということもあり、「現在は「白鳥」という漢名が一般的だが、「くぐい(鵠)」の古称をもち、「日本書紀」垂仁天皇の条などに記載がある。ヤマトタケルは、死後に白鳥になったという伝承があり、日本では古くから親しまれている鳥である」点に興味がどうしても向いてしまう。
その端緒は、谷川健一著の『白鳥伝説』を読んだことにある。
「4世紀初め、邪馬台国が筑紫から大和へ進入した時、そこにはすでに物部・蝦夷の連合国=ヒノモト(日本)があった。その千年に及ぶ大移動を東国・みちのくに追い、縄文・弥生の連続性を探る」といった本。
梅原古代史の本に比べ地味だが、地道ともいえる。同氏の本は好きで地名の本も含め、何冊か読んできた。
→ 高善寺橋に程近い章摺り力発電所近くの餌場。流れが堰き止められ、緩やかなので、遊泳スポットであるらしい。昨日、撮影した一枚。
そもそも白鳥伝説とはいかなるものか。
「白鳥伝説とは - コトバンク」によると、「全身純白の羽毛でおおわれた優美な姿は,いかにも霊鳥という印象を人々に与えた。《古事記》には倭建(やまとたける)命の霊魂が化して〈八尋白智鳥(やひろしろちどり)〉(紀では白鳥)になったとあ」るとか、「白鳥は穀霊神ともみなされたらしく,白鳥を主人公とする〈穂落し伝説〉や,餅が白鳥に化して飛び去ったという〈餅化白鳥譚〉は各地に見られる」とある。
「白鳥伝説 京丹後市観光協会 公式ホームページ 「京丹後ナビ」」にて紹介されているエピソードも有名であり、聞き及んでいる方も少なからずいるのでは。
お気に入りの本だったのだが、2008年に帰郷する際、引っ越し代を稼ぐため、東京在住時代に購入した大半の本と共に、手放してしまった。
後から振り返って、手元に残しておけばよかったのにと、悔やむ本の筆頭の一冊である。
本書を読んだ十数年前は、富山が白鳥の飛来地だとは知らなかったような気がする。
この事実を知ったうえで本書を読むと、感懐も違ってくるかもしれない。
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