この宇宙の片隅で腸に拘る
← ショーン・キャロル著『この宇宙の片隅に 宇宙の始まりから生命の意味を考える50章』(松浦俊輔訳 青土社) 「私たちの信条、希望、夢は無限の空間の中で重要性を持っているだろうか?人類の目的と意味は科学的世界観に合致することができるのだろうか?」
今夜は、年越しぞばを食べる。昨日、2食分買ってきて、1食分は昨夜、食べてしまったが、1食分は死守してあるのだ。
ショーン・キャロル著の『この宇宙の片隅に 宇宙の始まりから生命の意味を考える50章』を読了した。
なかなかの好著だった(校正ミスが目立つが)。
著者は、理論物理学者。カルフォルニア工科大学教授。著書に『ヒッグス 宇宙の最果ての粒子』(講談社)がある。
読んでいて、実にバランス感覚のある書き手だと感じた。真っ当な科学者だったら採り上げない(あるいは頭から否定するはずの)超心理や霊などの話も、ぞんざいには扱わず、我々が知りえている最新の科学からは、心霊現象は(あるいは心霊現象を起こすような未知の素粒子は)存在しないことを淡々と説く。存在するなら、既存(既知)の素粒子と、何らかの形で反応するはずだが、一切、そのような現象は見られないから云々。
一方、今までに知り得たことの豊かさの一方で、生命、意識、宇宙の起源など、我々にはまだ分かっていないことが多々あり、あるいは根本的なところが分かっていないのだとも語る。
科学は、倫理や価値や生きる意味などについては語りえない、あるいは科学的知識からは導き得ないとも冷静に語る。では、科学は意味がないのか。そんなことはない、本書では言及されていないが、喫緊の問題である地球温暖化に事寄せて著者のスタンスを説明してみる。
あらゆる既存の技術や科学的探究とデータの摂取とで、我々に示し得る事実はある。そうした実際のデータなど知見の上で、では我々はどうするか。そう、最後は我々の選択の問題、決断の事柄なのである。
← マイケル・D.ガーション【著】『セカンドブレイン―腸にも脳がある!』(古川 奈々子【訳】 小学館) 「頭にある脳が身体すべてを支配するという考え方に大転換を迫るのは、「第二の脳」とも言うべき独立独歩の腸神経系の発見であった。「医学の常識」を覆して腸神経系が認められるまでのドラマと、腸神経系のメカニズムを解説」
昨日の日記に書いたように、エムラン・メイヤー【著】『腸と脳 体内の会話はいかにあなたの気分や選択や健康を左右するか』(高橋 洋【訳】 紀伊國屋書店)を読み始めている。
昨日だったか、今朝未明だったか、以下のように呟いている:
「頭にある脳が身体すべてを支配するという考え方に大転換を迫るのは、「第二の脳」とも言うべき独立独歩の腸神経系の発見であった」といった本。この本を読んだのは、2000年頃だったかな。「腸」の働きや存在の大切さを再認識させられたのは、この本のお陰。この分野の先駆けといっていい本じゃなかろうか。久しぶりに再読したい。
思えば、十数年前、脳と腸を結び付けて論じる、この発想の嚆矢ともいえる本を読んでいた。
著者はもちろんだが、吾輩の目の付け所もなかなか?
……なんて、生意気なことを書いたが、腸に人一倍関心を抱いているのには訳がある。個人的事情というべきか。
ブログで詳しく書いたような気がするが、その事情というのは、1997年の頃のことなので、書いていないかもしれない(ブログの前のホームページ開設にしても、2001だったし。ニフティの談話の場に参入したのは、そのまた数年前なので、微妙かも)。お腹の不具合から、結果として、黄疸症状で死に損なったのだから、ただならぬ事態だったのだ。
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