佐藤春夫『田園の憂鬱』を買いかぶらず
誰か信頼できる(実績のある)人にアドバイスされた。…そろそろ君は(自分の才能に見切りをつけて)…源氏鶏太なんかの特集(伝記)の編集でもやったらどうだい…あの往年の人気作家…今ではすっかり忘れ去られた流行作家、大衆小説作家なんかの伝記を書く…多分、誰も書いていない(読まれやしない)伝記をこの俺に書けと…俺は売れなくとも納得できる小説を書きたくて今日まで頑張ってきたのに……その俺に源氏の評伝を書けと言うのか…それは、俺の才能に見切りを付けろと言っているに等しいんだぞ……
源氏鶏太の文壇的評価は別にして、郷土の作家でもあるし、数年前、読もうと、ようやく古書で見つけたのだが、冒頭の10頁も読まないうちに、耐えられなくなって放棄してしまった。
でも、今、一部で再評価の動きもあるとか:「映像化された作品は80本以上? かつてのサラリーマン小説の旗手、源氏鶏太とは レビュー Book Bang -ブックバン-」
佐藤春夫作の『田園の憂鬱』を読了した。前回のブログ日記にあれこれ書いた。
やや、持ち上げすぎだったかな。方法的模索や、まして思想上の煩悶は皆無だし。過敏な感性をもて余している(私小説風な内向性に留まっている)だけなのか、もう少し読んで確かめてみる。
薔薇の憂鬱と題したほうがいいのではなんて、賢しらなことを書いてしまったが、副題に「病める薔薇」とあるではないか。なんて、不注意な吾輩。
ただ、読了してみて、過敏な感性をもて余している(私小説風な内向性に留まっている)だけなのでは、という懸念が当たっているという心証を抱いてしまった。
← 佐藤春夫/著『田園の憂鬱』(新潮文庫) 「都会の喧噪から逃れ、草深い武蔵野に移り住んだ青年を絶間なく襲う幻覚、予感、焦躁、模索……青春と芸術の危機を語った不朽の名作」とか。
ススキの原を見て、ふとセイダカアワダチソウのことを連想してしまった。
で、昨日(木曜日)、SNSサイトで以下のように呟いた。
この頃、冬の到来と共になのか、河原や空き地などでは、ススキが目立つようになってきた。晩秋までは、セイダカアワダチソウがススキの縄張りを脅かしていたものだが、今やススキの天下のようだ。セイダカアワダチソウは、外来種。強靭な繁殖力でススキなど、在来種を圧倒してきた。が、セイダカアワダチソウは、生命力は強いが、寒さには弱いのかもしれない。黄色の小花どころか、葉や茎まで枯れ果て、萎びて茶褐色の憐れな姿を晒している。ススキは在来種…日本の固有種なのかどうか知らない。ただ、寒さにはセイダカアワダチソウより強いようだ。
そのセイダカアワダチソウ。生命力の強さ、繁殖力の旺盛さからして、やがては冬の寒さに馴れるのかもしれない。冬のひととき、ススキの天下のようだが、それも束の間の夢に終わるのだろうか。
こんなことを呟きながら、ふと、ホントにセイダカアワダチソウは外来種なのか、勝手な思い込みじゃないのかと心配になってきた。
「セイタカアワダチソウ - Wikipedia」によると、「北アメリカ原産で、日本では切り花用の観賞植物として導入された帰化植物(外来種)であり、ススキなどの在来種と競合する」とある。
基本的認識に誤りはなくて、ホッとした。
実はそのSNSさサイトで、「セイタカアワダチソウは増えすぎると自らの毒で自滅する植物」との話などを頂いた。
これはもう少し調べないといけない。
「日本国内への移入は、明治時代末期に園芸目的で持ち込まれ」、「その存在が目立つようになったのは第二次世界大戦後で、アメリカ軍の輸入物資に付いていた種子によるもの等が拡大起因とされて」いるとか。
自分の中では、セイダカアワダチソウの浸食はどんどん進んでいるように思っていたのだが、今回調べてみて、様々な理由や「天敵のグンバイやガ、ウドンコ病が時を同じくして北米から日本に侵入し、それらへの抵抗性が低下していた日本個体群は大打撃を受けてしまった」というのだ。
それでも、また息を吹き返しているようだ。寒さへの耐性も持ちつつあるようだし、やはり、繁殖力が強い。
→ 冬晴れの神通川左岸より神通大橋や脚下の河原を撮ってみた。ススキの穂にホッ。
「セイタカアワダチソウは増えすぎると自らの毒で自滅する植物」というのは、「アレロパシー」のことを指すようだ。
「セイタカアワダチソウの花からとれるハチミツは(カナディアン)ゴールデンロッドハニーと呼ばれる。冬前に大量の蜜と花粉を集められる最後の機会となるので、ハチと養蜂家にとっては重要な植物だ」というのは、ちょっと意外。但し、強烈な匂いもあって、日本ではあまり一般受けはしていないらしい。
吾輩が、セイダカアワダチソウについて折々、あれこれ書くのは、ススキとの生存競争・縄張り争いへの関心もだが、ある事情があってのこと:「セイダカアワダチソウ:秋の日は夢かと惑う泡の花」
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