佐藤春夫『田園の憂鬱』に親近感?
← ボードレール/著『巴里の憂鬱』(三好達治/訳 新潮文庫) 「パリの群衆の中での孤独を半ば自伝的にしるした散文詩全50篇を収録」とか。
今日も庭仕事。落ち葉拾いに一時間半。葉っぱはほぼ落ちたはずだけど、庭のあちこちに吹き寄せられている。庭の一部、雑草除けに砂利にした。これは失敗だとつくづく。モミジの葉っぱが散ると、砂利に混じって拾うのが大変。トングを使って一枚一枚拾う。辛気臭い作業を延々。連日。あと一回くらいやったら落ち葉拾いは終わる……はず。そしてあとは、雪が降ってくるのを待つだけ……待っちゃいないけど。
我が富山県のプロサッカーチーム:カターレ富山 もっと勝たれ~カターレ富山 大いに語れ! カターレ富山 カッタレ~富山じゃあかんぞ~。 来年こそは2部リーグだぞ!
小説(掌編)を読んで一番衝撃を受け、今も鮮烈な印象を残しているのは、高校時代、生徒会か学校が発行している校内新聞に載っていた作品。当時、我輩がのめり込みそうだった太宰を想わせる作風。戯作風だけど、文章の言葉一つひとつがキラキラしていた。のちに、某書店で本を物色する彼を見かけた。どんな本を買うのかレジで覗き込んだけど、見えなかった。同じ学年の成績トップで、あっさり滑り止めの東大医学部へ。開業医の息子。今でも、遊びで小説なんて書くことあるのかな。
佐藤春夫の『田園の憂鬱』を読んでいることが影響したのか、そんなことをふと想ってしまった。
← リルケ/著『マルテの手記』(大山定一/訳 新潮文庫) 「青年作家マルテをパリの町の厳しい孤独と貧しさのどん底におき、生と死の不安に苦しむその精神体験を綴る詩人リルケの魂の告白」。
佐藤春夫作の『田園の憂鬱』を久しぶりに読む。
3度目かな。面白いとかじゃなく、医者の家系に稀に出るはみ出し者。早熟で過敏な感性を持て余す若者。1890年代早々に生まれ、本書は1919年には完成させている。20代半ば過ぎに書いたってことを考慮に入れておくべきか。題名から、ついボードレールの「パリの憂鬱」を連想するが、さて。
シャルル・ボードレールの『パリの憂鬱』(渡辺邦彦 みすず書房)は、原書は、1869年に出版され、1920年代の終わりごろ、三好達治が翻訳した。
佐藤は原書を読んだのか、あるいは三好の訳書を読んだかは、調べていない。影響関係の有無も分からない。
『田園の憂鬱』には対の『都会の憂鬱』があるらしいが、小生は未読。
この系譜(?)には、国木田独歩の『武蔵野』も挙げられるだろう。
あるいは、原書が1910年に発表されたリルケ作の『マルテの手記』も忘れられない。吾輩も繰り返し読んできた。但し、本書の日本語初訳は、1953年なので、佐藤がドイツ語を読めれないとすると、影響関係は難しいか。
但し、散文詩、ある種の詩人の魂の系譜として考えると、逸するわけにいかない。
← 佐藤春夫/著『田園の憂鬱』(新潮文庫) 「都会の喧噪から逃れ、草深い武蔵野に移り住んだ青年を絶間なく襲う幻覚、予感、焦躁、模索……青春と芸術の危機を語った不朽の名作」とか。
ボードレールと云えば、『悪の華』だし、ランボーの『地獄の季節』『イリュミナシオン』などは先駆的な作品として日本にも影響した。
広げすぎると、収拾がつかなくなる。あくまで自分の中の存在感としては、リルケ作の『マルテの手記』を思い浮かべつつ、あるいは、あとは、シャルル・ボードレールの『パリの憂鬱』を影響関係の有無は別儀として、脳裏に浮かべつつ、読んでいるような気がする。
いや、そんなことはどうでもいい。久しぶりの再読、たぶん、手にするのは3度目にして、佐藤の散文詩小説の詩文を楽しめている。
自分が書き手になったような、表現者だったら、こういう表現はしないとか、これは敵わないとか、なぜか身につまされる思いで読んでいるのだ。同時に、中途半端に藪のような庭で仕事しているので、佐藤の描く、田園と云いつつ、都会の近郊に過ぎない、泉鏡花の『高野聖』ほどには魔窟感のない林の叙述には親近感を抱いてしまう。
やはり、車中で読むのは場違いだった。
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