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2018/11/28

谷崎潤一郎変身綺譚から李承雨へ

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← 李承雨 (イ・スンウ)著『植物たちの私生活』(金順姫 (キム・スニ)訳 藤原書店) 「すべての木は挫折した愛の化身だ…。」

 午後四時から庭木の剪定など庭仕事。僅か一時間で汗が滲む。その後のシャワーが楽しみ。浴室暖房で寒さに悴むことなく浴びられる。勢いで、風呂場の流しを掃除。栓などに髪の毛などが絡んでいる。ヌメリが嫌だね。でも、素手でやる。洗剤も使わない。あとは棕櫚タワシでゴシゴシ。ピカピカ。壁も布地のたわしでゴシゴシ。目地に沿って拭う。その勢いで、浴室マットも布地のタワシでゴシゴシ。普段、お湯で流すだけで、たまに日干しするだけだが、たまにはタワシで擦ってみた。お湯をかけると、結構、濁り水が流れる。
 浴室は、改装するつもりだったけど、予算が都合つかなくて、暖房機だけにとどめた。となると、手作業で綺麗にするしかない!

 今日は夕方から雨の予報だったのだが、作業中や、その後のシャワータイムには降らず、茶の間で髪を乾かしていたら、背後の出窓の辺りから雨音が。

 李承雨 (イ・スンウ)作の『植物たちの私生活』を読み始めた。

 たぶん、初の韓国人作家。海外での評判が高いらしい。刊行されて6年ほど。ゲットして半年以上。なんとなく、手が出ないできた。が、谷崎潤一郎の本を読了したことだし、ずっと未読の棚にあって、こちらを見ているような気がして…いつになったら読むんじゃい!…やおら手に取り、即、読みだした。なんかか、初めて、ポール オースターの小説を読み、肌が合うかもと感じたのをふと思い出した。別に似ている作風とかじゃなく(まだ十頁も読んでいない)、かなり知的な主人公の、そのつもりがなくても理屈っぽく行動してしまう性(さが)をチラッと感じただけなのだが。でも、僅か十頁とはいえ、退屈させずに読ませる以上は、きっと最後まで読ませてくれるに違いない。

 奥の書庫には未読の本が数百冊。といっても、父の蔵書。たぶん、定年後に読んできた本だろうと思われる。というのも、昔あったはずの、推理小説や海外の小説は見当たらない。残っているのは、精魂込めていた篆刻関係の専門書は別として、時代小背う、歴史小説が大半。あとは好きなお酒や相撲や中国の古典など。小説は好きな作家の本は全て読むみたい。平岩弓枝さんの小説だけでも、ざっと数えて30冊以上。藤沢周平など、父が亡くなった頃までの単行本はそろっているんじゃないかと思えるくらい。
 その一方、谷崎や藤村や太宰や川端や安岡や、まあ戦後の純文学者の本は見当たらない。みんな、若いころに卒業しちゃったのかな。

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← 『変身綺譚集成 新刊 谷崎潤一郎怪異小品集』(東 雅夫 編 平凡社ライブラリー ) 「超自然の怪異を描いた「変身綺譚」系の作品や怪奇幻想文学ジャンルの仲間らについて語った作品を収録する」。

変身綺譚集成 新刊 谷崎潤一郎怪異小品集』を読了した。谷崎ワールドというと、どうしても『細雪』を筆頭に、『痴人の愛 』とか『卍 』とか『瘋癲老人日記』、『陰翳禮讚 』、『蓼喰ふ虫』、『春琴抄』といった作品群となる。
 そうした印象(に留まるとは思わない)があるだけに、変身奇譚の作品群は面白くはあるが、必ずしも絶品とは感じなかった。まさに本書の中でも、折々…いやかなり臆面もなく語られ告白されているように、圧倒的に泉鏡花には敵わない、圧倒されているように思う。
 谷崎自身、漱石ら欧米派(?)より泉鏡花こそ、日本的であり独創性において屹立していると強調している。
 吾輩自身は、泉鏡花は苦手な作家なのだが、それでも、ブログでミニ特集を試みたことがある:
愛本のちまきから泉鏡花の高野聖へ
冬 の 灯 火

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