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2018/10/18

ラーメンにはスライスした蒲鉾が

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→ 今日もせっせと庭仕事。杉や三重カナメ、柘植など、風が吹くと枝葉が揺れて、家の壁に触れ、擦るのを避けるため、剪定の作業を行った。そのご褒美なのか、庭を歩いていたら、ミカンの実が1個、生っているのを発見。1個のみ!

 豆腐が一丁ある。今日は、麻婆豆腐にするかな。豆腐を適度に切り、さて、麻婆豆腐の素を用意して……と思ったら、先週、使い切ったんだった。ああ、どうする。豆腐、切っちゃったよ。冷蔵庫を覗いたら、シチューの素がある。こうなったら、豆腐のシチューだ。そんな料理、あったっけ。豆腐だけじゃ寂しいので、ホウレンソウにワカメなどを足して。さて、味は……。内緒。

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← 一昨日、気付いたシュウメイギクの開花。一層、見事に。

 富山というと(水がいいので)海鮮もの、野菜、お酒、お米、どれも美味しい。海鮮絡みで、富山は蒲鉾が上手い。学生時代、仙台で暮らしたことがあって、有名な笹かまをなんどとなく口にする機会があった。が、練のきめの細かさで明らかに富山のほうが上と感じた(← 個人の感想です)。その昔、出前のラーメンが嬉しかった。畑もあるし、野菜に事欠かない。田圃もあるから、米だって売るほどある。お魚は新鮮な魚を積んだトラックで近くの兄さんが売りに来る。なので、出前なんて、滅多にない。
 それでも、お袋が不在だったり、忙しかったり、外出から帰ってきたりで、食🅹の用意ができないことがある。すると、父か母が出前でも取るかという。待ってました! である。寿司なんて贅沢は論外だったけど、近所の中華屋さんから出前。ラーメンやチャーハンなどなどを注文する。そのラーメンには、チャーシューじゃなく、蒲鉾が載せてある。薄切りの蒲鉾が数枚。

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→ 蔵の石垣脇の地面、雑草が生い茂って困る。土台が侵食されそう。根っ子から雑草を一掃し、固まる土を敷いた。他にも通路で敷いた場所も。

 当時はそれが当たり前だと思っていた。歳月は口をも奢らせる。いつしか、チャーシューの載っていないラーメンなんてとなった。でも、昔ながらの蒲鉾の載ったラーメンを食べたくなる。
 いつもは素通りするスーパーの蒲鉾売り場。外側が赤い蒲鉾。要は魚のすり身。ラーメンに浮かべると、味わいが深まる。富山は、結婚式の引き出物にも蒲鉾がよくつかわれる。鯛などの形を模した、大きくて立派な蒲鉾が化粧箱に収められている。今となっては、そんな大きな蒲鉾など、敢えて買わないが、引き出物となると、それはそれとして有り難くいただくわけである。
 富山は、(一人辺りの)昆布の消費量が全国一番など、海鮮ものの美味しさは抜群。自然が豊かで、なんといっても立山(連峰)の賜物。冬に降り積もった雪のお陰で、夏でも湧き水が途切れない。蒲鉾は練り物で、富山のものは、練りがきめ細かい。ラーメンに、味噌汁に、天丼に、徒食にと、用途はアイデア次第。魚肉たから、体にもいい。海鮮天国の富山だからこその蒲鉾の引出物なんでしょうね。

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← 『訳詩集 葡萄酒の色』(吉田健一 訳  岩波文庫) 「シェイクスピア,ボオドレエル,ラフォルグ,イエイツ,ヴァレリイ,T.S.エリオットなど,(中略)英仏の詩篇を収録」。「独自の審美眼と個性的な文体が光る訳詩集」。

 吉田健一編集翻訳による、『訳詩集 葡萄酒の色』を読了。
 久しぶりに詩篇を堪能した。シェイクスピアの14行詩や、ラフォルグなどの再発見があった。

 本書の吉田氏によると、「スコット・モンクリーフによるプルーストの「失われた時を求めて」の英訳は、原作より優れていると言われている」とか。 「プルーストのふしだらになることもある文体上の不注意は整理され、プルーストが書入れで埋めた校正刷りと遺稿で残された部分に基づいての乱雑な植字も校訂されて、プルーストが書くはずだった作品がスコット・モンクリーフの英語で実現した」という。(本書p.310 より)

 C・K・スコット・モンクリーフ C. K.. Scott Moncrieff の訳になる「Remembrance of the Things Past」で、初版は1922年に Chatto & Windus Ltd. から刊行されたらしい。

 以下は、「古典のゆたかな森へ。――たとえばプルーストをどう読むか。 二葉亭餓鬼録」からの抜粋:
プルーストの、この謎めいた「失われた時を求めて」というタイトルを英訳するとしたら、シェイクスピアのある詩のなかから着想を得て、「過ぎしことの思い出Remembrance of Things Past」ということばに置き換えた人がいる。
 これをやったのは、C・K・スコット・モンクリーフという人で、シェイクスピアの第30番の「ソネット」からなんらかの着想を得ている。そのまま英訳すれば「In Search of Lost Time」となりそうだけれど、そんなことをすれば、なにかの報告書のようになってしまう。フランス語から英訳するというのはたいへんなことだと知らされる。形式的な訳にすれば、何かの報告書みたいになってしまうのである。

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