西部開拓時代のアメリカを映画に
← ディー・ブラウン著『わが魂を聖地に埋めよ(下巻)』(鈴木主税訳 草思社文庫) 「シャイアン、アパッチ、コマンチ、ナヴァホ、スー…。1860年からわずか30年間で殱滅させられた諸部族のあまりにも痛ましい歴史を詳細に描きあげた名著」。
今日(水曜日)、固まる土を買ってきた。人が通る庭地には除草剤を撒きたくない。といって、雑草の草むしりは厄介。コンクリートで固めるのも、野暮だし殺風景。なので、固まる土を撒き、水を灌ぐと、天気さえ良ければ、反日か一日で固まる。色も土の色なので、庭に違和感もない。数年前にこの土を敷いた場所は、歳月の刑かと共に、カビ(苔)が生えてきて庭に馴染んでいる。
その新たな地面の上を歩いてみないと、固まる土だとは分からないだろう。
ディー・ブラウン著の『わが魂を聖地に埋めよ(下巻)』を昨日、仕事中に読了した。
先住民たちは騙され虐殺され、僅かに生き残った人達は、傷心して死んだ。
何度も何度も同じことの繰返し。白人が先住民の土地に侵略し、いさかいになり、交渉し、空手形の約束をし、先住民は守ろうとするが、白人は勝手に決まり事(土地の代わりに食糧などを供給する)を破り、先住民が乱暴したとでっち上げ、先住民のキャンプ地に急襲し、戦士を虐殺し、女子供も殺しまくるし、生き残った人たちは奴隷に。
あまりにおぞましいアメリカの裏面史。先住民や黒人奴隷、大量の移民、南北戦争の実態、そうした全体を俯瞰してくれるアメリカ史の本って、あるのかな。本書は1970頃の本。アメリカにおいて、ベトナム戦争と重ね合わせて読まれたとか。さもあらん!
白人以外は人間じゃないという偏見が牢固としてアメリカ人の(一部と信じたいが)中にあるんだな。
オリバー・ストーン監督辺りが、西部開拓時代のアメリカの歴史をありのままに描いてもらえないかな。
ま、無理か。
日本だって、南京虐殺なる負の歴史を映画にするなんて、命懸けになるだろうし。
以下も読書メーターでのつぶやきでメモったこと:
昨夜、ここでせっせと書いた文章、800字くらいで突如、消滅。どこか余計な所を触ったのか。つぶやきには、下書き機能がないのね。250字毎にアップすればよかった。以前、PCで文書を作成してて、しょっちゅうそんな悔しい経験をしたものだ。なので、PCで文書を書く場合は、5分か10分毎に保存していた。神経質なほどに消えることを警戒していた。書き直すのには、気力も要るが、同じ文章は書けないってことが辛い。消えた文書が出来が良かったと思える。死んだ子の歳は数えられないのに(喩えが違うか)。
昨夜、書いていたのは、AIについての雑感。第4次産業革命の象徴であるAIの登場で、労働者の仕事が奪われること、関連してベーシックインカムなる考え方。明日にも、今度はブログで書いてみたい。
AIはホワイトカラーの人々の仕事もかなり奪う。残るのは、高度に創造的なほんの一握りの方の仕事か、いずれにしろ、AIが向かない労働。介護や職人。でも、それだってAIが奪わないとは思えない。下の世話はマシンのほうがプライドを傷つけられないし。誰かが言っていたけど、人間が為す究極の仕事は、遊ぶこと、以外にないだろう。娯楽。
ホモ・ルーデンス!
貧乏人がやることは遊ぶだけ。金持ちの間違いじゃないかって。そこが資本主義のパラドックスなのだ。金持ちが儲かるには、消費者の存在が不可欠なのだ。そこそこの消費者がいて、大いに消費してもらわないと困るのである。が一方で労働者は経済的に痩せ細る一方の日本などの先進国。景気が一向に上向かないのは、貧富の格差が増大する政策を採っている以上、必然の結果。
今の貧富の格差が広まる社会では、アメリカのように海外から搾取するか、東南アジアやインド、アフリカ諸国と連携するしか方策はない。が、それも当面の打開策に過ぎない。AIの波は全世界に及ぶことは必定。いずれは、東南アジアも先進国と運命を共にする。つまり、ベーシックインカム。では、財源は? 法人税? 競争があって難しそう。残るところは、貧乏人を更に搾ること。でなければ、富裕層への資産課税、所得税の累進率を高める。消費者の存在が不可欠である以上、選択肢は限られる一方だろう。
AI社会では、最低限の文化的な生活を送る……食う寝る遊ぶ……ギリギリの日々を送る大多数の貧困層と優雅に暮らす0.1か0.01パーセントの富裕層(支配者階級)とに、はっきりと別れるんだろうナー。
今、日本は、人手不足状態。移民などに労働力を負うところが増える一方。
人手不足状態の解消(緩和)のため、AIの導入に積極的。何かでも、胡散臭いものを感じる。
万が一、人手不足状態が解消されたとして、その時には、AIが十分以上に機能して、もはや人手など不要になっているやもしれない。吾輩はタクシードライバー。自動運転だったり、カーシェアリングなど、運転手の活躍の場が失われるのも時間の問題となりかねない。
← 『訳詩集 葡萄酒の色』(吉田健一 訳 岩波文庫) 「シェイクスピア,ボオドレエル,ラフォルグ,イエイツ,ヴァレリイ,T.S.エリオットなど,(中略)英仏の詩篇を収録」。「独自の審美眼と個性的な文体が光る訳詩集」。
今、シェイクスピアの14行詩抄を読んでいるところ。
いい。彼がこんなにピュアな思いを愛する人に捧げて詩作するなんて。思えば、シェイクスピアの詩を読むなんて初めてなんだな。もっと若いうちに、学生時代に触れておけばよかったと、悔やむ。原文で読んだらどうだろう。戯曲より優しそうだし。
学生時代(教養学部)のある一年、英文学を履修した。単位を取得する目的で。授業では、シェイクスピアの戯曲「ヴェニスの商人」(原書)の講読だった。辞書を引く単語がやたらと出てくる。懸命に授業に食らい付いていった。1年の終わりには、面白くてならなくなっていた。原書でないと、シェイクスピアの戯曲の魅力は分からないと、つくづく感じた。あと1年、あの授業……シェイクスピア作品の原書講読を続けていたら、シェイクスピアの虜になっていたかも。でも、学部に上がったら、英文学の講義はなかった(単位の対象じゃなかった)。
あの懸命な1年の貴重さを痛感したのは、大学を卒業して何年も経ってからだったな。気付くのが遅い!
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