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2018/10/29

『ロボットの脅威―人の仕事がなくなる日』から2年

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→ 一昨日(金曜日)、訪れた不動堂遺跡。縄文時代の住居が復元されていた。外見は眺めたことがあるが、中には入ったことかあったかどうか。決して広いとは言えない内部。復元はされていないが、暖炉か囲炉裏の原形に相当する何かが真ん中にはあっただろう。一家が寄り添うように暮らす。肩を寄せ会うしかない。子供が無事に産まれるのも難儀だったろう。衛生なんて観念など求むべくもない。だからこそ、逆説めいているが子を産む女性は畏敬の念の対称だったわけだ。子の身代わりの土偶が割られるかどうかは、祈りの事柄に他ならない。

 百河豚(いっぷく)美術館や、隣接する不動堂遺跡は、富山市からは東方向。あともう少しバイクを駆ると、県境であり、山々となる。行きは、バイクは立山連峰に近付くように走る。帰りは、遠ざかるのだけど、暫くは左手に併進するかのよう。富山市からは、どの方向に走っても、一時間も走れば山か海。立山連峰は、至上の借景。

Hotta

← 堀田善衛著『若き日の詩人たちの肖像 〈上〉』(集英社文庫) 「北陸の没落した旧家から骨董を学費がわりに持って上京した少年は、その夜雪の東京の街に響く銃声、血ぬられた2・26事件に遭う。暗い夜の時代をむかえる昭和初年に目覚めた青春の詩情と若者の群像を描く長篇」とか。

 過日より、堀田善衛作の『若き日の詩人たちの肖像 〈上〉』を読み始めた。
 2.26事件の直下の東京。主人公の暮らすアパート。コンサートに行けない彼は、布団の中で楽譜(総譜)を読んで曲を楽しむ。隣室には、事件の首謀者とされる青年将校の妻が住み、彼の部屋に彼女の動静を見張る刑事らが居座る。彼には、従兄から謎の包みが預けられる。それは、事件の前年の赤旗5部だった。やがて彼も刑事らに身柄を確保される。あるいは、彼の兄のように拷問されるのか。

 書庫を漁っていたら、マーティン・フォード著の『ロボットの脅威―人の仕事がなくなる日』が見つかった。僅か2年前に読んだ本だけど、ええ? こんな本、読んでいたんだとびっくり。

 ほぼ2年前の9月、以下のような感想をメモっている:
 冒頭の数十頁を読んだ段階で、トマ・ピケティの『21世紀の資本』をロボット技術の急劇な発達という側面から裏書きしたと言えそうと感じた。本書は、まさにソフトウエアやロボット技術の進歩がいかに脅威なのかを縷々語っている。ロボット技術の進展は、ルーティーンワークのみならず、高度な知的エリートからも仕事を奪っていく。トヨタが膨大な社員を抱える一方、グーグルやフェイスブックなどは、利益の膨大さの割に抱える社員の数は驚くほど少ない。大半の仕事はコンピューターやロボットがこなしてくれるからだ。

Robot

← マーティン・フォード著『ロボットの脅威―人の仕事がなくなる日』(松本剛史 訳 日本経済新聞出版社) 「ロボットの脅威 日本経済新聞出版社」によると、「シリコンバレーのソフトウェア開発ベンチャー創業者としてITに通暁する著者がAI、ロボットの普及と、人間の職、雇用との関係、ロボット時代の経済についていち早く警鐘を鳴らした名著。関心を集める「AIと人間との関係」についてじっくり考えるうえで役立つ視点を提供」といった内容。

 上掲書を読んだ翌月、関連する本として、レイ・カーツワイル[著] 『シンギュラリティは近い [エッセンス版]  人類が生命を超越するとき 』( NHK出版[編] )を読んだ。
 以下のような感想をメモっている:
 シンギュラリティとは、AIなどの技術が急激に加速度的に発達して、ある時点で人間の知能を遥かに超えてしまう特異点のこと。そんなに遠くない将来、知能もだが、人間の肉体も、血液(の成分)のみならず、内臓も脳も何もかもが人工のものに変えられていく。治療はマイクロロボットが効果的に行う。肉体は不滅となり、原理的には死がなくなる可能性も。気になる皮膚(感覚)さえも、人工の物で代用可能となる。食べる楽しみや、Hの感覚はギリギリまで人間は手放さないかもしれない、という気になる懸念にも答えている。

 テレビでもシンギュラリティの話題が特集されたりしている。多くの人が関心を抱いていると思う。自分にしても危機感がある。ホント、ロボット(車もロボット化する)、つまりはAIの脅威は、避けがたいのかも。
 シンギュラリティに早晩、近づくのが、あっさり越えられるのかは分からない。が、吾輩のような凡俗な奴は、不要な存在に成り果てそう。
 上掲の本を読んでから僅か2年を経過しただけだが、自分の中に危機感が高まった気がする。

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