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2018/10/12

フロベールの叙述の凄みに感服

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← フロベール (著)『世界文学全集 (17) ボヴァリー夫人・聖アントワヌの誘惑・三つの物語』(菅野 昭正 (翻訳)  集英社) 発売:1976/05 吾輩の本は、昭和61年の第四刷。確か、当時、文庫本では「聖アントワヌの誘惑」が見つからず、この箱入りの本を買った。当然ながら、所収の作品は全部、読んた。

 過日より、フロベール作の『世界文学全集 (17) ボヴァリー夫人・聖アントワヌの誘惑・三つの物語』を読み始めている。
 なかなか進まなかったが、連休となり、ようやく昨日今日と読める。10数年ぶり。やはり、文章が素晴らしい。人物描写も風景描写も卓越している。そもそも、風景描写は状況説明であり、情景を表現しつつ実は心理描写をしている。小説はストーリー展開や登場人物の会話の妙もだが、情景や風景描写に作家の腕前が如実に出る。

 こうした名作を読む一番の短所は、大概の小説が読めなくなること。ほんの数行でうんざりしてしまうんだね。
 我輩は小説もだが、哲学科出身ということもあり、哲学書を少しは読んできた。だからと云って、小説に哲学を求める訳じゃない。それほどやぼじゃない。ただ、ショーペンハウエルと共にウィトゲンシュタインに惹かれてきた。語り得ないこと面したなら沈黙せざるを得ない。

 が、人は不可能と承知しつつも、敢えて語ろう、表現しようとする。そのギリギリの営為にこそ、言語表現の醍醐味がある。文学や哲学のみならず、宇宙論や物理学、数学、生物学、果ては風俗関連の書に至るまで読むのも、いま人が知り得ることの突端に接したいからだ。

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→ 苔むしている内庭。この一角だけ。もっと広げたいのだが。すると、「園芸店に苔だけ売ってますから移植されては?というアドバイスがあった。なるほど、移植するのは難しそう。勉強しないとね。

 毎週、豆腐を一丁、配達してもらっている。夏場は、暑くなるので調理したくない。なので、冷ややっこがメイン。秋口に入って、ガスコンロを使うのが苦にならない。豆腐もみそ汁の具だったり、今夜は麻婆豆腐に。半年ぶりだ。

 いろんな本を読む合間には、『訳詩集 葡萄酒の色』(吉田健一 訳  岩波文庫)を少しずつ齧っている。
「シェイクスピア,ボオドレエル,ラフォルグ,イエイツ,ヴァレリイ,T.S.エリオットなど,(中略)英仏の詩篇を収録」といった本。
 今日、鑑賞していたら、「銹」という字が出てきた。素養のない小生には読めない。「金偏に秀」で検索してみたら、「銹(シュウ、シュ、さ(びる)、さび)」だとか。

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← 数年前、固まる土を撒いた一角。左側は今は空っぽの蔵、右側は内庭の築山。間が通路になっている。ここにも雑草は容赦なく生える。蔵の土台に雑草が生えると、シロアリが巣食うことも。固まる土で雑草が生えなくなって、草むしり作業は不要だし、助かっている。何より除草剤を散布しなくていいのが有りがたい。 真ん中の緑色は、苔かな。

 今日(木曜日)は予報でも、実際にも週日の雨。外仕事はできないし、一週間ぶりにプールへ行こうと思ったが、元気が出なくて、居眠りと読書に終始。

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