『わが魂を聖地に埋めよ』を読み始める
今日も庭仕事。運動不足解消の意味もあると、自分に言い聞かせて、せっせと頑張っている。
ところで、車。車検切れだった。この前、車検をお願いした業者から、当然、車検の通知ハガキか連絡が来るものと思い込んでいた……のが甘かったようだ。
← パトリシア・ハイスミス 著『見知らぬ乗客』(白石 朗 訳 河出文庫) 「妻との離婚を渇望するガイは、父親を憎む青年ブルーノに列車の中で出会い、提案される。ぼくはあなたの奥さんを殺し、あなたはぼくの親父を殺すのはどうでしょう?」だって。
パトリシア・ハイスミス作の『見知らぬ乗客』を読了。
本作品は、交換殺人を扱った作品では、最初に公刊された小説だとか。アイデアでは前後して使われている作家(作品)があるらしいが。
交換殺人を扱った小説やドラマはその後、かなりな数、世に出ている。だが、本書の素晴らしいのは、そのアイデアの秀逸さというより、犯人たちのみならず、周辺の人物たち相互の倫理描写やドラマにこそある。
なので、交換殺人が云々と云っても、ネタ晴らしにはならないのだ。
仕事などがあって、読み始めた最初の頃は日に数十頁も読めたかどうかだった。が、昨日そして今日は連休ということもあって、昨日の午前から今日のお昼にかけて、細切れな睡眠惰眠仮眠居眠りを挟みつつ、残りの330頁余りを一気に読めた。バレバレの交換殺人がついに露見していくのだが、犯人らの人間模様に息つく間もない面白さだった。
映画「太陽がいっぱい」の原作があると、読書メーターで知り、早速、彼女の『太陽がいっぱい』を買って読んで感心した。幾つも長編などがあると知ったので、早速、二冊目に手を出したというわけである。
← ディー・ブラウン著『わが魂を聖地に埋めよ〈上〉』(鈴木 主税【訳】 草思社文庫) 「北米先住民の側から書かれた19世紀後半のアメリカ西部史」。
ディー・ブラウン著の『わが魂を聖地に埋めよ』を読み始めた。
出版社による内容案内によると、「北米先住民の側から書かれた19世紀後半のアメリカ西部史」。「フロンティア開拓の美名のもとで繰り広げられたのは、シャイアン、アパッチ、スー、コマンチ、ナヴァホ等の各部族の殱滅だった」。「長くアメリカ史の裏面に追いやられていた真実の歴史を、条約会議の速記録に残された肉声から描きあげた衝撃的なノンフィクション」。
吾輩は、これまでスペインやポルトガルなどヨーロッパ人による中南米への侵略と虐殺と収奪の歴史に関わる本を読んできた。
同時に、イギリスやオランダ人などなどによる、北米大陸の先住民たちへの虐殺や収奪の歴史にも関心を抱いてきた。ようやく、そのものズバリの本を手にすることができた。
読むのが辛い気がするが、正視しないと。
アメリカの正義や自由や人権といった謳い文句は、どのような裏面史に裏書きされたものなのか。西部開拓…フロンティアスピリットなどとった美名の、その実態の醜さを忘れてはならない。
イスラエルが、聖書に記載された約束の地だからと、パレスチナ人の土地を奪い取ったように、アメリカ人は、自分たちは神に選ばれた優れた人なのだとばかりに、先住民を殲滅に追いやった。
その発想はトランプ大統領の遣り口につながっているのだ。
真実や自由や正義を声高に叫ぶ者ほど、その実、凶暴で醜い裏面を持っている。あるいは、だからこそ、声高に正義を謳って己の蛮行を正当化するしかないということか。
日本にしても、縄文時代の終わり頃から、弥生人が大陸から続々と到来してきた。先進文化を有していて、縄文人を圧倒したことは想像に難くない。
現代の日本人は、縄文人と弥生人が融合しただろうことは、遺伝子の研究などで明らかになっているようだ。
ただ、最近の歴史書を読むと、まるで仲良く共存し、徐々に融合していったかのように主張されることが多い。
そんなことがありうるだろうか。欧米人が北米や中南米の人々を虐殺し収奪したように、大陸からの渡来人も、縄文人を圧倒し、生き残った縄文人を奴隷にし、当然ながら混血していった人々もいたのだろう。ヤマトんちゅの残酷さや策略の狡猾さは、阿弖流為(アテルイ)が、「朝廷軍に敗北。のち自ら降伏し、田村麻呂も助命を嘆願するが、京の公卿達の反対により河内国で処刑された」ことを見ても想像ができようというもの。正史にさえ、そんな策略が記録されているのだ。現実にどんな扱いをしたか、考えるまでもない。
アイヌの人々がヤマトんちゅに虐待されたように、今も沖縄の人々が圧政を国によって強いられているように、縄文人と弥生人の緩和な融合なんてありえなかったのではなかろうか。
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