イザベラ・バードからゴーゴリへ
← イザベラ・バード (著)『イザベラ・バードのハワイ紀行』(近藤 純夫 訳 平凡社ライブラリー ) 「『日本奥地紀行』で知られる女性旅行家の「旅」の原点。火山や激流に挑む驚くべき冒険の数々、先住民との交流や原生自然の貴重な記録が、一八七三年のハワイ王国にタイムスリップさせてくれる」とか。
秋晴れの爽やかな陽気。外出(行楽)日和。
でも、読書と買い物と、居眠りに、夕方からは庭仕事。畑の店仕舞いに庭のメンテナンスなど、やることが溜まっている。家の中では、洗濯に、台所の流しなどのヌメリをタワシで擦って綺麗に。
イザベラ・バード 著の『イザベラ・バードのハワイ紀行』を読了した。
1831年生まれのバードの本は3冊目。気が付けばファンになりそうな自分がいる。
彼女の紀行文は並のレベルじゃない。観察力・分析力・表現力が際立つ。でも、特筆すべきは敢えて行動する好奇心の強さ。溶岩の噴き出す河口を間近で観たくて、文字通り命からがら馬など駆りながら向かっていく。現地の人の馬への無慈悲な扱いに心を痛めつつ。
彼女は、当時の女性は馬には横すわりが当たり前だったのを、現地の女性に見習って普通に跨って乗った。だからこそ、どんな険しい岩場の道なき道も踏み分けていけたのだ。そんな彼女は、脊椎の病気。
医者に転地療養を勧められ、最初はスコットランド、ついでアメリカ・カナダへの旅に出る。そこから徐々に紀行文を手紙などの形で公表していく。日本へ、朝鮮へ、中国へ。
病を抱えながら、どうしてこんな冒険を行えるんだろう。事前に徹底して勉強し、情報を得て現地に向かうのだが、最後はなんでも自分の目で見てやろう、観察し、文章に起こしていく。
ハワイは火山(噴火口)などは、当時の姿を失っているだろうけど、今時のどんな観光案内の本やパンフレットを観るより、道なき道を自ら踏破した彼女の本をこそ読んだほうが深い理解を得られるだろうことは請け合いである。
← ゴーゴリ 著『ディカーニカ近郷夜話 前篇』(平井 肇 訳 岩波文庫 ) ゴーゴリ(1809‐1852)の処女作集。「これは明るく香わしい小ロシアの田園詩であり,永遠に歌い踊るウクライナ農民の笑いの交響楽である」とか。
ゴーゴリ 作の『ディカーニカ近郷夜話 前篇』を読み始めた。
本書冒頭には訳者による解題が付されている。なんと、昭和12(1937)年。2010年に復刊となったようだ。吾輩は気づいていなかった。
旧字体(刊行当時の)まま。それはそれで味わいがある(昔はそんな本が多かったから、懐かしい感覚がある)が、素養のない小生には読み辛い。
でも、なんたって、ゴーゴリなのだ。昔、ゴーゴリ全集が出始めた頃、第一巻、第二巻と買い揃えていったが、情けなくも二巻で頓挫。当時の吾輩には荷が重すぎた。それでも、ゴーゴリ愛は尽きない。
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