magic は魔術か呪術か
← アンドレ・ブルトン 著『新装版 魔術的芸術 普及版』(巖谷 國士 監修 谷川 渥 訳 河出書房新社) 「20世紀最大の「幻の書物」! シュルレアリスムを創始したアンドレ・ブルトンによる野心的な「もうひとつの美術史」。人類の美術史全体を書き換え、再構築した壮大な試み」とか。
アンドレ・ブルトン 著の『新装版 魔術的芸術 普及版』を読了というより、通覧した。
本書は、新装版と銘打っているように、最初に刊行されてから最早半世紀を経ている。
フロイトの理論がしばしば援用されていることでも、時間の経過が伺われる(1957年刊行)。
シュルレアリスムの主導者のブルトンの面目躍如の本。
といっても、執筆(全五巻の美術史シリーズの一冊『魔術的芸術』)を依頼されて快諾したものの、いざ取り掛かってみると、相当に難儀したようで、当時若手のジェラール・ルグランの協力を仰いだ。題名の magic は魔術と訳すか、呪術と訳すか。ブルトン自身は、必ずしも意味的に限定はしていない。自由に捉えることで、芸術を広く捉えようとしているのかもしれない。
ブルトンらの独自の主張もだが、吾輩にとって本書の魅力は何と言っても、豊富に掲載されている芸術の枠に囚われない古来よりの生み出された作品群のすばらしさ。
新しい美術書の類はそれなりにフォローしているが、さすがに60年も前に刊行された本に紹介されている作品群は、最近はあまり目にしないものが多く、写真の数々が刺激的であり、観るのが楽しかった。
→ 今日は休み。前夜、残業が長引き、帰宅が遅れ(未明の3時近く)、今日の生活リズムが大きく狂った。残業の疲れが抜けたのは、午後の3時頃。さすがに、庭仕事をする元気なし。スーパーへ行く元気も湧かず。夕方、コンビニへ。すると、夕焼けが。我が家の屋根越しに撮影。
富山市は八尾で今日(土曜日)から始まる「おわら風の盆」。天気の方も、今朝までの激しい雨も上がって、今はウソのように穏やかな陽気。午前中は八尾行きの電車さえ運休し、バスやタクシーが大車輪。八尾の町は、すっかり祭りの情緒に満ちているよ。なんとか、三日間は天気、もって欲しいな(ちなみに、二日目は初日以上にうららかな陽気である)。
← 大江 健三郎著『大江健三郎全小説 第3巻』(装丁:鈴木成一デザイン室 講談社) 「1961年の雑誌発表以来、一度も書籍化されることのなかった「政治少年死す」を含む1964年までの初期短編群その3。 性、政治、青年の苦悩を真正面から赤裸々に描く」とか。
朝日新聞に、「政治少年死す」についての星野智幸氏による書評が載っていた。1960年。右翼少年の暴走が実際、大きな社会的事件を引き起こした。取材しての小説ではなく、あくまで創作なのだが、右翼の苛烈な反応に、作品は封印に追い込まれた。57年間も封印。ネトウヨの跋扈跳梁する今日、しかも、政権の恫喝に呆気なく腰くだけとなる日本のマスコミを目にしているだけに、今こそ読む意義があろうというもの。
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