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2018/08/19

悪夢にあの人が現れて

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→ カネの成る木。そろそろ、大きな鉢に植え替えかな。「英語では dollar plant といい、葉が硬貨に似ているのが名前の由来である」とか。「常緑低木。樹高は無霜地帯の露地で栽培すると3メートル以上になる」という。ってことは、庭の何処かに植え替えてもいいってことか。今まで、鉢でしか育たないって思い込んでいた。「乾燥気味に育てれば氷点下5℃程度に耐えるほど寒さに強いが、霜や雪には弱いために冬は屋内か軒下やベランダなどで育てる】とも。冬、積雪の時期、雪が被らない場所を選ばないといけない。なかなか土地の選定が難しそう。 

 この数日、中元などのもらい物で過ごしている。栄養の偏りもなんのその。でも、そろそろまともなものを食べないと。

 今日は涼しいので、夕食は、久しぶりにガスコンロを使って調理。冷凍庫にあるミックス野菜と豚肉を使って、肉野菜。明日も涼しかったら、ラーメンを作るかな。

 数日ぶりに庭仕事。昨日は、仕事が残業となり、いつもは夜中の一時過ぎには帰るのが、四時を回ってしまい、この三時間のずれが、昨日終日、体に祟ってしまった。というか、今日の昼過ぎまで回復しきれなかった。
 何度も寝たり起きたりを繰り返し、悪夢で何度も目覚め(一度など、あの天海祐希さんが(吾輩の娘として)出てきて、吾輩をさげすむように冷たい目で睨む!)、それでも、今日の三時ごろだったか、ようやく元に戻ったかなと感じた。

 下手に慣れない残業などしないものだ。
 それでも、夕方五時過ぎからの一時間半ほどの庭仕事は、気持ちのいい汗を流させてもらった。
 そのあとのシャワーも快適だった。

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← ルソー (著)『告白録〈上巻〉』(井上 究一郎 (翻訳)  新潮文庫) 画像は、我が所蔵本。手垢も付いているし、赤茶色に変色している。書庫の奥から引っ張り出してきた。

 ルソー 著の『告白録〈上巻〉』を昨日から自宅で読みだしている。やはり、車中での待機中に読む本じゃない。
 ルソーという人物は好きにはなれないのだが、「新エロイーズ」を除く大概の有名な本は一通り読んできた。
 なかでも、「孤独な散歩者の夢想」は、高校時代以来、何度読んだことか。
「エミール」を巡る思い出話は昨日のブログで書いた。

 さて、本書の中で、本書のような告白本を書く大きな動機となった苦い思い出を書いている箇所がある。
 ルソーが少年だったころ、ある、恩義を受けている家で、盗難事件があった。実は、盗んだのはルソー本人だった。だが、主らに問い詰められ、ルソーは、自分は盗んじゃいない、盗んだのは、ある性格のいい若い女性だと言い募った。
 「ああ! 彼女を不幸にしたという悔恨だけでもたえられない私に、彼女を自分よりわるい人間にしたという悔恨がどれほどはげしいか、察していただきたい」とした上で、

 この残酷な思い出は、いまもときどき私を苦しめる。不眠の夜など、このあわれな娘がやってきて、私の罪を、まるできのう犯したもののように、せめたてるのをまざまざと目にする。それほどまで心のかきみだされることがある。平静にくらしてきたあいだは、そうなやまされることはなかったが、風波の多い苦境のなかでは、罪もないのに迫害を受けると思う何よりのあまいなぐさめを、無残に私からうばいとってしまう。これは何かの書物に書いたように思うつぎのことを私に実感させる。すなわち、悔恨は有卦(ウケ)にはいっているときはおとなしく眠っているが、落ち目になるとむずかりだす。しかしながら、このことを誰か友人の胸にうちあけて、心をかるくしようという決心はどうしてもつかなかった。どんなに親密な間柄でも、ヴァラン夫人にさえ、それはできなかった。せいぜい、自分はあるひどいおこないをしたことがあっていまでも後悔している、といった程度の告白で、それがどんなことであるかは決していわなかった。この重みは、だからこんにちまで、私の良心の上にじっとのしかかって、少しもかるくなっていない。どうかしてそれからまぬがれたいという望みが、この告白録を書く決心をさせた大きな力だったといってもいい。(p.121)
 さて本書を文学的に深くさせているのは、この動機あるがゆえではない、あるいは幾度か述べたように、表現力の豊かさや、近代的な個の自覚を明晰に示している意義があるからでもない、カントを始めとする後世の文学者や思想家への影響が甚大だったからでもない(それらもないではないが)。  実は、上掲の転記文に続く下りがあって、その<告白>が故に、そんな発想ができる表現者であるがゆえに、本書を稀有な存在たらしめているのだ。

 まあ、その辺りのことは、まさにネタバレになりかねないので、多くを語るのはやめておく。

 ただ、「(前略)そしてあの不幸な娘に罪をきせたとき、おかしな話だが、ほんとうのことをいえば、私があの娘に好意をいだくあまり、あのようなことがおこったのだ。彼女のことがいつも念頭にあった。まっさきに頭にうかんでくるものをとらえて言いわけした。自分のしたいと思っていることを、彼女がしたといって(後略)」(p.122)云々と続くことだけ付記しておく。

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