水谷千秋著『継体天皇と朝鮮半島の謎』にロマンを感じる
← 水谷千秋著『継体天皇と朝鮮半島の謎』(文春新書) 「子のない武烈天皇が崩じたのち、傍系、地方出身にもかかわらず、天皇の座についた継体天皇。王位簒奪者か、大和の救世主だったのか? 真の継体陵とされる今城塚古墳の石棺は、なぜ九州から運ばれたのか? 緊迫する朝鮮半島との関係にどう対処したのか? 古墳、石棺、冠、大刀、鏡など考古学上の新しい成果と、文献からの考察を突き合わせ、古代史最大の「空白」がいま、明らかになる――」。
水谷千秋著の『継体天皇と朝鮮半島の謎』を読了した。
同氏の旧著『謎の大王 継体天皇』以来の書。この本も読んだはず。謎の大王・継体天皇にはずっと関心を持ってきた。前の本が専門である文献史学に基づき、文献資料を駆使しての著作だとすれば、本書『継体天皇と朝鮮半島の謎』は、その後の考古学上の研究実績を広く視野に入れての書。
← 今日も庭仕事。荒れた庭を懸命に。籔のような庭というのは、庭の奥に潜り込むと実感する。昨年まで手付かずだった枝葉を片付けるだけで秋になりそう。画像は、野菜。キュウリだけ。ナスひどい。ミニトマトは、昨日、取り尽くしたから、今日はなし。
著者は、「継体の前半生は杳としている。幼いころ父を亡くし、以後母の実家のある越前三国で育てられ、以来五十七歳までそこに居たように『日本書紀』は記す。しかし姻戚関係から察せられるように、実際は近江を拠点に越前や尾張など幅広く滞在していたと私は推定する。(中略)歴史家としての想像を慎重に交えるならば、彼はもっとスケールの大きい国際的な活動をしていたのかもしれない」と語る。
本書はまさにその国際的な活動を考古学の成果を採り入れつつ考えをまとめたもの。
継体の時代、大きな王朝の変化があったのか、渡来人の影響は、任那割譲の真相、磐井の乱とは何か、など日本の古代史の大転換期だったことをうかがわせて、実に面白かった。
かなりの研究の進展があったとは感じる。それでも、大きななぞは残る。天皇陵の調査研究があれば一層進むだろうと改めて感じる。
→ 蝶々発見。接写激写したかったけど、気付かれた。
夏場、バイクを駆る。その姿を観ての感想は、人によって違う。颯爽として気持ちがいいだろうなーとか。暑苦しいとか。実際は、ホント、暑い。吹き付ける風も熱風なんだもの。路上の空気の暑いこと。でも、今日、半袖で走ったら、気持ちよかった。シャツの背中の汗が、走行中の風で蒸発する。蒸発と一緒に熱気が飛んでいく。そこが爽快。
← サマセット・モーム/著『英国諜報員アシェンデン』(金原瑞人/訳 新潮文庫) 「諜報員として活躍したモームによるスパイ小説の先駆にして金字塔」。
さすがモームの諜報員(スパイ)ものは、一味違う。自らが諜報員だったからということもあろうが、物語の口調がシニカル、アイロニーに満ちている。でも、読者を楽しませようという姿勢がたっぷり。
その後のスパイものはもとよりサスペンスものへの影響が伺える。これが一つのスタンダードになってきたんだろう。
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