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2018/08/02

賢治「永訣の朝」の舞台裏?

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→ 今日も庭仕事。主に泰山木の枝葉狩り。成長が早く、雨の降らない中、ドンドン伸びる。ってことは、土壌から栄養分や水分を奪っていくということ。他の庭木を育むためにも、かなり大胆に枝葉を刈った。脚立に昇っての作業。足場が悪く、怖かった。

 日照りのような日々。庭には散水しない(畑にも!)。なのに、雑草は執拗に伸びる。さすがに勢いは弱まっているようだが、それでも日々草むしりに追われている。それにしても、広葉樹の葉っぱの艶(つや)といったら! 太陽の恵みがあればったって、土壌から水分だって吸収する必要があるはずだよね。夏バテってないの? 昨日、泰山木に丼よりでっかい、白い花の王冠を確認し、撮影もできて嬉しかった。

 驚いたのは、庭の奥、側溝脇に萩に隠れるようにして珍しい花を発見したこと。アガパンサスのような、淡い紫の花。いままで、庭が籔同然で、奥には目が行き届かなかったのだ。そうそう、何十本もの古い竹竿の処分に困った挙げ句、庭の奥に木々に隠すように積み上げていた。
 それらが、さすがに腐敗して、持ち上げようとするだけで、粉々に砕ける。それらをせっせと拾い上げていたら、その下から、可愛いトカゲ、カナヘビが出現。3センチほど。驚いたのか、周章てて逃げ去った。ゴメンね。安息の地を奪っちゃって。我が家の庭には何があるかわからん!

 内緒だが、畑の野菜たちにも水遣りしていない。意地悪してるんじゃなく、単に無精なだけ。だって、畑の直ぐ傍に、雨水を溜めた大きなポリバケツがあるんだから。そんな過酷な環境下で、ホント、キュウリやミニトマトはよく育つナーと感心する。

 暑い日々が続いてる。汗で洗濯物がドンドン溜まる。と言っても、洗濯機一回分には足りない。外仕事すると一気に。困るのは、都合ですぐに洗濯出来ないとき。溜めている間に臭いが付くし、酷いときは黒カビにやられたり。タオル一枚、真っ黒に(内緒だが、今も使っている)。一昨日の夜中、睡眠中にハッと閃いた。そうだ、洗濯機の篭に溜めておくんじゃなくて、洗濯槽に入れたら、すぐに水も一緒に貯めればいいんだ! 試してみたら、洗い終わっての、不快な匂いがしなくなった。これだけのことに気付くのに、何年を要したことか。

 南東の夜空に火星、赤く鮮やかに。

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← 宮沢賢治 著『可愛い黒い幽霊 宮沢賢治怪異小品集』(東 雅夫 編  平凡社ライブラリー) 「賢治作品の童話や詩の中から、とりわけ興趣深い物語の数々を選んで編む」とか。

 宮沢賢治 作の『可愛い黒い幽霊 宮沢賢治怪異小品集』を読了した。
 幽霊がどうこうということより、賢治が幻視者だということが、東雅夫氏の編集による本書で知ることができた。彼による解説も非常に参考になった。

 ところで、賢治の有名な作品に「永訣の朝」がある。その一部を転記する(「宮澤賢治「永訣の朝」」より ):
  

けふのうちに
とほくへいってしまふわたくしのいもうとよ
みぞれがふっておもてはへんにあかるいのだ
( あめゆじゅとてちてけんじゃ )
うすあかくいっそう陰惨な雲から
みぞれはぴちょぴちょふってくる
( あめゆじゅとてちてけんじゃ )
青い蓴菜のもようのついた
これらふたつのかけた陶椀に
おまへがたべるあめゆきをとらうとして
わたくしはまがったてっぽうだまのやうに
このくらいみぞれのなかに飛びだした
( あめゆじゅとてちてけんじゃ )
蒼鉛いろの暗い雲から
みぞれはびちょびちょ沈んでくる
ああとし子
死ぬといういまごろになって
わたくしをいっしょうあかるくするために
こんなさっぱりした雪のひとわんを
おまへはわたくしにたのんだのだ
銀河や太陽 気圏などとよばれたせかいの
そらからおちた雪のさいごのひとわんを・・・・・・

 この詩歌を改めて持ち出したのは、本書で意外な発見があったからである。
 それは、「手紙 四」なる作品。原稿用紙で数枚の小品なので読んでみてほしい。
 ポーセ(兄)とチュンセ(妹)の話。兄は小さな妹に意地悪ばかりしている。その妹が死にそうになる。兄は慌てて妹の訴えに応えようとする:
 
 チュンセは困ってしばらくもじもじしていましたが思い切ってもう一ぺん云いいました。「雨雪とって来てやろか。」「うん。」ポーセがやっと答えました。チュンセはまるで鉄砲丸のようにおもてに飛とび出しました。おもてはうすくらくてみぞれがびちょびちょ降っていました。チュンセは松の木の枝から雨雪を両手にいっぱいとって来ました。それからポーセの枕もとに行って皿にそれを置き、さじでポーセにたべさせました。ポーセはおいしそうに三さじばかり喰べましたら急にぐたっとなっていきをつかなくなりました。

永訣の朝」では、兄賢治の妹へのひたすらな思いが表現されているようである。
 一方、「手紙 四」では、まるでその舞台裏を明かすかのように、実は兄は普段から小さな妹に意地悪ばかりしていた。その妹が俄かに病気になり、兄は自分のせいで妹が病気になったとばかり、罪の意識に駆られて、「雨雪とって来てやろか」病床の妹に語りかけるのだ。

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