赤いシーラカンス
→ 小林たかゆき作「題名不詳」 (画像は、「小林たかゆき お絵かきチャンピオン」より)
「赤いシーラカンス」
不思議の海を泳いでいた。粘るような、後ろ髪を引かれるような海中にもう馴染み切っていた。
髪を掴まれて、何処へでも流れていったって構わないはずだ。
なのに、妙な意地っ張りな心が前へ、前へ進もうとする。
緑藻の長い腕が、ビロードの肌で絡みついてくる。紅藻が乳糜を沁み出して呑んでいきなさいよって、誘っている。
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