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2018/07/02

庭仕事のあとの読書が楽しみ

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← 画像は、今日の野菜の収穫。ナスもミニトマトも初の収穫。これらも、家族のいる親戚にあげる。

 今日も内庭などのメンテナンス。下草などは大体、根っ子から刈り取った。ただ、そうすると、土壌が剥き出しになり、風雨や日射などで土が庭先の坂下の溝に流れ落ちる懸念が生じる。今までは、笹などの縦横に走る細かな根っ子が網の目状になって土の流出を防いでいた。土砂の流出を防ぐため、昨年の台風で屋根から落ちた瓦を内庭の傾斜面に宛がうことで、なんとかならないかな……と期待する。
 五時半から七時半過ぎまでの、汗だくの作業。すっかり暮れてしまった。

 先月からの続きで、平家物語を読んだので、今月は、冊数は少ないけど、頁数は自分としては多いかな。


読んだ本の数:9
読んだページ数:4385
ナイス数:1760

失われた時を求めて(11)――囚われの女II (岩波文庫)失われた時を求めて(11)――囚われの女II (岩波文庫)感想
本書は、「ヴァントゥイユの知られざる傑作が開示する芸術の意味」というくだりがある。幻の音楽作品。想像上の作品なので、さすがのプルーストも作品の性格などについては、やや奥歯に物が挟まったような説明。それでも、何事かを読者に想わせるからさすがである。誰か、音楽(作曲)の素養のある方が、このプルーストの記述を元に、我こそはという作曲を試みてもらいたい。
 さて、近いうちに、第十二巻を読み始めるよ。
読了日:06月30日 著者:プルースト


燃える平原 (岩波文庫)燃える平原 (岩波文庫)感想
書店で見つけ、パラパラ捲って、読むに値するとゲット。まさか、こんな凄い作家、作品だとは! 今は出先なので、感想は帰宅してから。いい作家と出会ったよ。
読了日:06月26日 著者:フアン・ルルフォ


平家物語 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集09)平家物語 (池澤夏樹=個人編集 日本文学全集09)感想
軍記物語ではあるが、語り物を意識した訳になっている。ドラマチックな場面では、琵琶の撥の音も喧しい(そう意識させる訳になっているのだ)。
 よく言われることだが、『古事記』は別格として、日本には、国史として、『日本書紀』や『続日本紀』、『日本後紀』、『続日本後紀』、『日本文徳天皇実録』、『日本三代実録』といった六国史がある。
 以後も国史の企てはあったらしいが、完成には至っていなかったらしい。
読了日:06月21日 著者:古川日出男(翻訳)


日本の古典はエロが9割  ちんまん日本文学史日本の古典はエロが9割 ちんまん日本文学史感想
仕事があまりに暇で、残り140頁ほどを読み終えてしまった。題名に偽りなし。自分の知らない日本や中国などの古典が(エロや性愛に限っても)実に多いことに、今さらながら思い知った。今も夜毎日毎、性愛絡みのドラマが繰り広げられているのだろう。古代や平安時代や中世に壮絶な営為があったって、もしかして(性愛の進化の趨勢からして)現代のほうが凄まじい実態があるに違いない。要は、そうした実態を見透す目なんだろう。頑張らないと(って、何を?)!
読了日:06月18日 著者:大塚 ひかり


赤の女王 性とヒトの進化 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)赤の女王 性とヒトの進化 (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)感想
大隅典子氏(東北大学大学院医学系研究科教授)によると、『性』は進化問題の女王である! 自然淘汰は全生命の進化に関わるとすると、人間がある時点で急激に脳が肥大化したのは、人間の人間に対する軍拡競争があり、生きる糧を求めての生存闘争もあるが、男性女性を問わず、性に絡む戦術戦略が深く関わっている。数少ない卵子を肝とする女と、際限のない精子…数打ちゃ当たる男との鬼気迫る戦い。いろんな説が紹介されていて、主に性を巡っての頭の体操になった。遅きに失したけれど、いつかは読みたいと思ってきた本。読了。
読了日:06月17日 著者:マット・リドレー


駱駝祥子―らくだのシアンツ (岩波文庫)駱駝祥子―らくだのシアンツ (岩波文庫)感想
アメリカで評価されたりする作家で、文化大革命で犠牲になったわけで、中国の権力側(文化大革命当時の)からは、危険視されたようだが、少なくとも、本作を読む限り、実にヒューマンである。美は細部にありではないが、個々の叙述が巧みだし、話をどんどん読ませる卓抜した技術を感じた。主人公の駱駝祥子(らくだのシアンツ)は、体力自慢の若者。怖いもの知らずで、真面目に頑張ればきっと成功すると思っていた。
読了日:06月15日 著者:老 舎


デューラー ネーデルラント旅日記 (岩波文庫)デューラー ネーデルラント旅日記 (岩波文庫)感想
デューラーは畏怖する画家。初期の作品もいい。車中の友として本書を持ち込み、楽しんだ。
 解説にもあったが、やや病的なまでに記録するところは、永井荷風の断腸亭日乗を連想させる。
 内緒だが、我輩の近年の手書きの日記(40年以上、続けている)は、家計簿みたいになっている。日記は、ブログに書いているので。
  旅の途中、ルターの逮捕を知る。救われんことを神に熱心に祈る。盛名高きエラスムスにも力となってくれることを祈る。日記中で一番長い記述かも。
読了日:06月08日 著者:デューラー


もうひとつの脳 ニューロンを支配する陰の主役「グリア細胞」 (ブルーバックス)もうひとつの脳 ニューロンを支配する陰の主役「グリア細胞」 (ブルーバックス)感想
ニューロン至上主義から、グリア細胞などニューロン以外を含めた脳の働き全般へ。従来、脳の潜在能力の一割ほどしか使われていない、という根拠のない説が喧伝されていた。が、それはとんでもない間違いない。ニューロンの活動しか観察研究して来なかったから(ニューロンにしか目が向かなかった)。近年は違う。眠れる(せいぜいニューロンを包む梱包材とされてきた)グリア細胞などが、常に活動している。睡眠中も。この頃、健全な睡眠の大切さがテレビでも話題になることが増えてきたが、その理由も説かれている。
読了日:06月05日 著者:R・ダグラス・フィールズ


有罪者: 無神学大全 (河出文庫)有罪者: 無神学大全 (河出文庫)感想
読んで、ほとんど理解できなかった。かなりハイブローなアフォリズムの数々に翻弄されるばかり。解説を読んでも、分かったような……やはり不全感。
 それでも、読み通したのは、神や死や戦争や愛、女への真摯な問いかけと、背を向けるしかない絶望の念の切迫感があったからだ。
 ニーチェ(のアフォリズム)の哲学からの影響が言われるが、ヘーゲル、特に「精神現象学」のヘーゲルの影響を感じた。
読了日:06月04日 著者:ジョルジュ・バタイユ



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